川で帽子や靴が流されても追いかけない|子どもと決めたい水難事故予防の約束
夏になると、家族で川遊びを楽しむ機会も増えます。
水に足を入れたり、魚を探したり、石を拾ったり。子どもにとって川は、自然を身近に感じられる楽しい場所です。
そんな川遊びの途中で、
- 「帽子が流された!」
- 「サンダルが流れていっちゃった!」
ということが起きたら、お子さんはどうするでしょうか。
大切にしている物ほど、「取らなきゃ!」と思って反射的に追いかけてしまうことがあります。
しかし、川では「すぐそこにある」「浅そうに見える」という判断が、大きな危険につながることがあります。
川へ出かける前に、親子でぜひ決めておきたい約束があります。
「流された物は追いかけない。大人に知らせる」
今回は、この約束がなぜ大切なのかを詳しく紹介します。
流された帽子や靴を追いかけるとなぜ危険なの?
川は、岸から見ただけでは深さや流れの強さを正確に判断できません。
一見穏やかに見えても、場所によって流れの速さは変わり、突然深くなったり、足元を流れに取られたりすることがあります。国土交通省も、川には予期しない深みや複雑な流れ、足元をすくわれる危険があるとして、ライフジャケットの着用を呼びかけています。
さらに、物を追いかけている時は、子どもの注意がその物へ集中します。
「あと少しで届きそう」
と思って一歩、もう一歩と進むうちに、
- 急に深くなる
- 石やコケで足を滑らせる
- 流れの強い場所へ入る
- 靴が脱げてバランスを崩す
といったことが起こる可能性があります。
消費者庁は、帽子やサンダルなどの持ち物が流されても、取りに行かないことを事前に約束しておくよう呼びかけています。実際に、流されたサンダルを拾おうとした子どもが溺れた事故も報告されています。
子どもはなぜ流された物を追いかけてしまうの?
子どもにとって、
「物より自分の命の方が大切」
ということを頭では理解できても、突然目の前で物が流されると、すぐに安全な判断へ切り替えるのは簡単ではありません。
お気に入りの帽子やおもちゃなら、
- なくしたくない
- パパやママに怒られるかも
- まだ近くにあるから取れそう
と思うこともあります。
また、子どもは経験が少ないため、浅く見える水の先に急な深みがあることや、穏やかに見える川でも流れが強い場所があることを予測するのが難しいものです。消費者庁も、川では一見穏やかな流れでも地形などによって流れが一定ではないと注意を呼びかけています。
だからこそ、事故が起きそうになってから説明するのではなく、川へ行く前に「物はあきらめていい」と伝えておくことが大切です。
家庭でできる予防ポイント
川へ行く前に「なくしても怒らない」と伝える
今回、特におすすめしたいのがこの一言です。
「帽子や靴が流されても、怒らないよ。取りに行かないでね」
子どもが「なくしたら怒られる」と思っていると、危険を感じても取り戻そうとする可能性があります。
物よりも安全が優先だと、あらかじめ伝えておきましょう。
大人も無理に取りに行かない
子どもには「行かないで」と伝えながら、大人が流された物を追って川へ入れば、子どもには「大人なら取りに行ってよい」と見えるかもしれません。
取り戻せない物は、あきらめる判断も必要です。
人が流された場合も、救助しようとして水へ入ることは二次事故につながるおそれがあります。海上保安庁は、溺れた人を助けるためにむやみに水へ入らず、周囲へ助けを求め、浮く物などを利用するよう案内しています。川や池では119番への通報が案内されています。
ライフジャケットと脱げにくい靴を用意する
物を追いかけない約束と合わせて、川へ近づく時の装備も重要です。
消費者庁や国土交通省は、
- 体に合ったライフジャケットを正しく着用する
- 滑りにくく、脱げにくい、かかとのある履物を使う
- 子どもだけで水へ近づけない
- 大人が目を離さず見守る
ことを呼びかけています。
サンダルが脱げ、それを追いかける状況そのものを減らすためにも、簡単に脱げない履物を選びましょう。
天気は「今いる場所」だけで判断しない
川では、今いる場所が晴れていても、上流で雨が降ることで急に水位が上がることがあります。
川へ出かける前だけでなく、遊んでいる途中も天候や水の変化を確認しましょう。
上流に黒い雲が見える、雷が聞こえる、木の枝や落ち葉が多く流れてくるなどの変化があれば、早めに川から離れることが大切です。
親子で確認したい安全ルール
川へ行く前に、難しい説明をたくさんする必要はありません。
親子で、次の2つを声に出して確認してみてください。
- 「流された物は、追いかけない」
- 「自分で取りに行かず、大人に知らせる」
そして、
「流されてしまっても怒らないよ。物よりあなたの方が大切だよ」
と伝えておきましょう。
出発前に、
「帽子が流されたら、どうする?」
と聞いて、
「追いかけない。大人に知らせる」
と答える練習をしておくのもおすすめです。
実際の場面を想像しながら短い言葉で繰り返すことが、川で安全を思い出すきっかけになります。
関連動画|川の危険を学ぶ歌
ホッピースマイルの動画「川の危険を学ぶ歌」では、川遊びで気をつけたいことを、動画で親子一緒に確認できます。
文章で一度説明するだけでなく、歌や映像を通して繰り返し触れることで、
「川ではどう行動する?」
と親子で話すきっかけとしてご活用ください。
子どもの水辺の安全を、社会全体で支えるために
水難事故予防は、家庭だけで伝えていくものではありません。
保育園・幼稚園・学校、自治体、レジャー施設、アウトドア用品関連企業、宿泊施設など、子どもや家族と接するさまざまな場所で安全情報に触れることで、川へ行った時に大切な行動を思い出すきっかけを増やすことができます。
ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子に届けています。
企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの水辺の安全を社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。














