子どもの道路横断事故を防ぐ|少し遠回りでも横断歩道を使う習慣を
雨の日や、買い物の荷物をたくさん持っている帰り道。
家は道路の向こう側なのに、横断歩道は少し先にある。
そんな時、
「車も来ていないし、ここを渡ればすぐなのに」
と思うことはありませんか?
大人にとっては、周囲を確認して数メートルの道路を渡るだけに感じるかもしれません。
でも、一緒に歩いている子どもは、「この道は、ここで渡っていいんだ」と覚えることがあります。
道路を渡る場所を選ぶことも、大切な交通安全教育の一つです。
少し遠回りになっても、安全に横断できる場所まで歩く。
毎日の小さな積み重ねが、子どもが一人で歩くようになった時の安全行動につながります。
横断歩道ではない場所を渡るとなぜ危険なの?
道路には、歩いている位置からは分かりにくい危険があります。
たとえば、
- 停車している車の陰から別の車や自転車が来る
- 遠くに見えていた車が予想以上に早く近づく
- カーブや建物で車が見えにくい
- 反対側へ意識が向き、一方向の車を見落とす
といったことがあります。
警察庁によると、令和3~7年の5年間に発生した自動車と歩行者の交通死亡事故4,158件のうち、約7割は歩行者が道路を横断している時の事故でした。さらに、その横断中の事故の約6割は、横断歩道以外の場所を横断していた時に発生しています。これは子どもだけの統計ではありませんが、道路横断そのものが交通事故の大きな場面であることが分かります。
道路交通法でも、横断歩道がある場所の付近では、その横断歩道を使って道路を渡ることが定められています。走っている車の直前や直後を横断することや、横断禁止の標識がある場所での横断も禁止されています。
子どもはなぜ「今なら渡れる」と判断してしまうの?
子どもは道路を見ていても、大人と同じように状況を判断できるとは限りません。
道路横断についての研究では、子どもは接近する車を認識できていても、車の速度に応じて「今渡れるか」を適切に判断することが難しい場合があることが示されています。
さらに、子どもは大人より目線が低いため、駐車車両や塀、生け垣などがあると、大人には見えている車が見えないこともあります。政府広報も、子どもの目の高さで通学路や横断場所を確認することを勧めています。
そして、もう一つ大切なのが大人の行動です。
子どもは、毎日一緒に歩く大人の姿をよく見ています。
大人が、
「今日は車が来ていないから、ここで渡ろう」
と横断していると、
「車が来ていなければ、横断歩道じゃなくても渡っていい」
と覚えてしまう可能性があります。
政府広報でも、子どもに交通ルールを身につけてもらうためには、大人自身がルールを守り、手本を示すことが大切だと呼びかけています。
家庭でできる道路横断の事故予防
横断歩道が近くにある時は、そこまで歩く
少し遠回りになっても、横断歩道が近くにある場合は、親子でそこまで歩きましょう。
「道路を渡る場所は、自分の都合だけで決めない」
という経験を繰り返すことで、子どもが一人で歩くようになった時にも思い出しやすくなります。
横断歩道が近くにない場合は、横断禁止の場所を避け、見通しのよい場所を選び、車が近づいていないことを十分に確認して渡ります。警視庁も、横断歩道がない場所では、道路をよく見渡せる場所を選び、車が近づいている時は通り過ぎるまで待つよう案内しています。
横断歩道でも、すぐに歩き出さない
横断歩道は歩行者優先です。
車の運転者には、横断しようとしている歩行者がいる場合、横断歩道の手前で一時停止して道を譲る義務があります。
ただし、「横断歩道だから車は必ず止まってくれる」と思い込まないことも大切です。
横断する前に、
- いったん止まる
- 右と左を見る
- 近づいてきた車が止まったことを確認する
- 渡っている途中も周囲を見る
という流れを習慣にしましょう。
警視庁も、横断歩道では左右を確認し、車が止まったことを確認してから渡り、横断中も周囲を確認するよう呼びかけています。
車の陰から道路へ出ない
駐車している車やバスの前後は、子どもから車が見えにくいだけでなく、走ってくる車の運転者からも子どもが見えにくくなります。
「車のかげから道路へ出ない」
ことも、横断場所を選ぶ時の大切な約束です。
親子で実際の道を歩いて確認する
交通安全は、言葉だけで伝えるより、普段歩く道で確認すると具体的になります。
- 「この道路はどこで渡る?」
- 「この車の後ろから渡ってもいい?」
- 「青信号になったら、すぐ歩いていい?」
と問いかけながら、親子で一緒に考えてみましょう。
政府広報も、子どもと通学路を実際に歩き、子どもの目線から交差点や横断歩道、見通しの悪い場所などを確認することを勧めています。
親子で確認したい道路の安全ルール
子どもには、長い説明よりも短い言葉で繰り返し伝える方が覚えやすくなります。
道路を渡る前に、親子で次の約束を確認してみてください。
- 少し遠回りでも、横断歩道へ行こう
- 道路の前では、いったん止まる
- 右・左をよく見る
- 車が止まってから渡る
- 渡っている途中も、周りを見る
そして、大人自身もできるだけ同じ行動を続けていきましょう。
毎日の大人のお手本が、子どもの安全ルールをつくっていきます。
関連動画|止まってよく見よう
ホッピースマイルの動画「止まってよく見よう」では、横断歩道の渡り方や、道路で気をつけたいことを親子で一緒に学べます。
子どもの交通安全を、社会全体で支えるために
子どもの交通安全は、家庭だけで伝えていくものではありません。
学校や保育施設、自治体、警察、商業施設、自動車関連企業、交通事業者など、子どもや保護者が日常的に接する場所で安全について繰り返し触れることで、大切な行動を思い出すきっかけを増やすことができます。
ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子へ届けています。
商業施設、自動車・交通関連企業、自治体、教育機関などの皆さまとも連携しながら、子どもたちが安全な道路の歩き方を学べる機会を社会全体へ広げていきたいと考えています。













