子どもの川遊びは「見守る人」を決める|複数家族で遊ぶときの水難事故予防
夏休みになると、家族だけでなく、友だち家族や親戚と一緒に川遊びやバーベキューを楽しむ機会も増えてきます。
大人も子どももたくさんいて、にぎやかで楽しい時間。
そんな場面では、
- 大人が何人もいるから大丈夫
- 自分が少し離れても、ほかの誰かが見てくれているだろう
と思うこともあるかもしれません。
けれど、水辺の見守りで大切なのは、その場に大人が何人いるかではなく、「今、誰が子どもを見ているのか」がはっきりしていることです。
こども家庭庁CDRでも、複数の家族で川辺に出かけた際、それぞれが「ほかの大人が子どもを見ている」と思い、結果として子どもへの注意が十分に向いていない状況が起こり得ることが紹介されています。
川遊びを楽しい思い出にするために、今回は「見守り担当」という視点から、家庭やグループで確認しておきたいことを整理します。
川遊びでは「大人がいる」だけでは見守りにならない
川辺では、大人にもやることがたくさんあります。
- テントを張る
- 荷物を運ぶ
- バーベキューの準備をする
- きょうだいの着替えを手伝う
- 友人や親戚と話をする
どれも川遊びではごく自然な場面です。
問題は、こうした作業をしている間に、「その瞬間、誰が子どもを見ているのか」が曖昧になることです。
川は、見た目には浅く穏やかでも、場所によって深さや流れが変わり、濡れた石やコケで足を取られることがあります。国土交通省も、川には急な深みや複雑な流れ、滑りやすい場所などがあるとして、事前の準備と安全管理を呼びかけています。
さらに、溺れている子どもが必ず大きな声で助けを求めるとは限りません。
消費者庁は、子どもは声や音を出さず、静かに溺れることもあるとして、大人が目を離さず、手の届く範囲で見守るよう注意を呼びかけています。
「何かあれば声が聞こえるだろう」ではなく、目で継続して確認できる見守りが重要です。
子どもは遊びに夢中になると、危険を判断し続けることが難しい
子どもが川で大人のそばを離れようとするのは、危険なことをしようとしているからではありません。
- 魚を見つけた
- きれいな石があった
- 友だちが少し先へ行った
- 水に足を入れてみたくなった
川には、子どもの好奇心を引きつけるものがたくさんあります。
一方、こども家庭庁は、子どもは大人に比べて危険を判断することが難しく、水辺では思いがけず足を取られたり溺れたりすることがあると説明しています。
だからこそ、
「大人のそばから離れないでね」
と子どもへ伝えることだけに安全を任せるのではなく、大人側でも見守りが途切れない仕組みをつくっておくことが大切です。
家庭でできる予防ポイント
川へ入る前に「見守る担当」を決める
複数の大人で川へ行く場合は、遊び始める前に、
「今は誰が子どもを見るのか」
を確認しておきましょう。
「みんなで見る」ではなく、一度担当をはっきりさせることがポイントです。
CDCも、水辺では責任を持って見守る大人を明確にし、子どもを継続して監督することを勧めています。複数の子どもがいる場合には、特定の大人をそれぞれの子どもの見守り役として決める方法も示しています。
交代するときは「受ける側」まで確認する
見守り担当を決めても、途中で交代することはあります。
その時に、
「ちょっとお願いね」
だけで離れてしまうと、相手が本当に見守りを引き継いだのか分かりにくくなることがあります。
たとえば、
「次、お願いね」
「分かった。今から私が見るね」
というように、交代する側だけでなく、受ける側も声に出して確認する形にしておくと、担当がより明確になります。
海外の水難事故予防団体でも、グループで水遊びをするときは特定の大人を「Water Watcher」として決め、一定時間ごとに次の大人へ明確に役割を渡す方法が紹介されています。
見守り中は、ほかの作業と兼ねない
見守りを担当している間は、
- スマートフォンを見る
- バーベキューの調理をする
- 荷物を片付ける
- 長い会話に集中する
といったことをできるだけ避け、子どもの様子を見ることを優先しましょう。
CDCも、水辺で子どもを見守る大人は、スマートフォンなど注意をそらす行動を避けるよう案内しています。
担当を交代できる大人がいるなら、
「お肉を焼くから、ここからお願い」
と役割を切り替えてしまう方が、見守りと作業の両方を無理に抱えるより分かりやすくなります。
ライフジャケットを着けても、見守りは続ける
川遊びでは、子どもの体に合ったライフジャケットを正しく着用することが重要です。
国土交通省は、子どもには体の大きさに合ったものを選び、特に脱げにくくするため股下ベルトのあるものを使用するよう案内しています。
ただし、ライフジャケットを着けたことと、大人の見守りは別の安全対策です。
消費者庁も、ライフジャケットなどの装備と合わせて、大人が子どもから目を離さず、手の届く範囲で見守ることを呼びかけています。
ライフジャケットを着けたから見なくても大丈夫、ではなく、いくつもの安全対策を重ねることが事故のリスクを減らすことにつながります。
親子で確認したい安全ルール
見守りの責任は大人にあります。
そのうえで、子どもにも川へ行く前に短い言葉で伝えておきましょう。
「川では、見てくれている大人のそばから離れない」
難しい説明をたくさん覚えさせる必要はありません。
「誰と一緒にいる?」
「ママ(パパ)のそばにいる」
と出発前に一度確認しておくことも、安全を思い出すきっかけになります。
そして大人同士では、もう一つ。
見守りは「大人が何人いるか」ではなく、「今、誰が担当しているか」。
川へ出かける前に、一度だけでも確認してみてください。
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「川の危険を学ぶ歌」では、川遊びで気をつけたいことを歌とアニメで親子一緒に学べます。
子どもの水辺の安全を、家庭だけでなく社会の中にも
川遊びや水辺の安全は、家庭だけに関係するテーマではありません。
自治体、教育機関、保育施設、キャンプ場、レジャー施設、アウトドア関連企業など、子どもや家族と関わるさまざまな場所で、安全を思い出すきっかけを増やすことができます。
ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガなどを通じて親子に届けています。
企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの安全を家庭だけに任せず、社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。現在の企業・団体向けページでも、動画・キャラクター・ポスターなどを使った安全教育の連携を案内しています。
キャンプ場やレジャー施設での掲示、夏休み前の安全教育、地域の親子イベントなどを通じて、水辺へ出かける前に「見守る人を決める」という安全行動を思い出せる環境づくりにもつなげられると考えています。













