トイレトレーニングにおすすめの絵本3冊|親子の段階に合わせた選び方
「そろそろトイレトレーニングを始めようかな」
そう思ってトイレへ誘ってみても、子どもが座りたがらなかったり、昨日はできたのに今日は失敗したり。
トイレトレーニングは、思ったとおりに進まないことも多いですよね。
何度も着替えや床の掃除が続くと、パパやママも疲れてしまうと思います。
でも、子どもにとってトイレは、これまでほとんど経験したことのない場所です。
- 何をする場所なのか
- いつ行けばよいのか
- パンツをぬらしたらどうなるのか
- うんちの後は何をすればよいのか
大人には当たり前のことでも、子どもは一つずつ知り、経験しながら覚えていきます。
そんな時、親子の間に入って、トイレのことをやさしく伝えてくれるのが絵本です。
絵本は、子どもを急いでトイレへ行かせるための道具ではありません。
まだ知らないトイレの世界を、安心して見て、知って、試してみるための入り口です。
この記事では、トイレトレーニングの段階に合わせて、役割の異なる3冊を紹介します。
今回紹介する3冊と、それぞれの役割
トイトレを始める前
『おむつのなか、みせてみせて!』

トイレやうんちに興味を持つための一冊です。
失敗が続いている時
『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』

失敗しても大丈夫だと、親子の気持ちを支えてくれる一冊です。
トイレでできるようになった後
『じぶんで おしり ふけるかな』

排泄後の拭き方や、自分でやってみようとする気持ちにつなげる一冊です。
この3冊に順位はありません。
今の子どもがどの段階にいて、何に困っているのかによって、合う絵本は変わります。
トイレトレーニングは、年齢だけで始めなくても大丈夫
- 2歳になったから始めなくては
- 同じクラスの子は、もうパンツになっている
周りの様子を見ると、焦ることもあるかもしれません。
トイレトレーニングを始める時期には個人差があります。年齢だけではなく、
- 一人で安定して歩ける
- 簡単な言葉や声かけが理解できる
- おしっこの間隔が少しずつ空いてきた
- おむつがぬれたことを知らせる
- トイレやおまるに関心を示す
- おしっこやうんちの前後に、しぐさや言葉で知らせる
といった、子どもの準備が整ってきたかを見ることが大切です。早く始めれば早く終わるとは限らず、子どもが強く嫌がる時には、いったん休むことも選択肢になります。
絵本は、本格的なトレーニングを始める前から読めます。
まずは、
「トイレって、こんな場所なんだね」
と親子で知るだけでも十分です。
トイトレを始める前に読みたい
『おむつのなか、みせてみせて!』

文・絵:ヒド・ファン・ヘネヒテン
訳:松永りえ
出版社:パイ インターナショナル
知りたがりやのねずみくんが、動物たちのおむつの中を見ていく仕掛け絵本です。
ページをめくりながら、
- 「うさぎさんのうんちは、どんな形かな?」
- 「次は誰のおむつかな?」
と、遊びのように読み進められます。
出版社も、動物によって異なるうんちを仕掛けで楽しみながら知り、トイレトレーニングのはじめの一歩につながる絵本として紹介しています。
この絵本の役割
この本の大きな役割は、排泄への興味を育てることです。
子どもにとって、うんちやおしっこは恥ずかしいものでも、失敗して怒られるものでもありません。
- 食べたらうんちが出る。
- 動物も人も、それぞれうんちをする。
そんな自然なこととして、明るく触れられます。
トイレに座る練習を始める前や、トイレへあまり関心を示していない子どもに向いています。
こんな親子におすすめです
- トイレトレーニングを始めようか迷っている
- 子どもがトイレに興味を持っていない
- うんちの話をすると喜ぶ
- 仕掛け絵本が好き
- トイレを怖がらず、まずは知ってほしい
読み聞かせのポイント
読み終わった直後に、
「それじゃあ、あなたもトイレに座ろう」
と誘わなくても大丈夫です。
まずは絵本そのものを楽しみましょう。
子どもからトイレについて聞いてきたら、
「おしっこやうんちをする場所だよ」
「今度、一緒に見に行ってみようか」
と答える程度で十分です。
絵本を読んだことと、すぐにトイレで排泄できることは別の段階です。
興味を持てたことを、最初の一歩として受け止めてあげてくださいね。
失敗が続く時に読みたい
『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』

作:ひろかわさえこ
出版社:アリス館
おむつからパンツになったぷくちゃん。
新しいパンツをうれしく感じていますが、トイレトレーニングは最初から順調には進みません。
何度もおもらしをしてしまいます。
それでも、そばにいる大人はぷくちゃんを責めません。着替えられるパンツを用意し、失敗を受け止めます。
アリス館は、パンツになったぷくちゃんが失敗を繰り返しても、替えのパンツがあるから大丈夫、という内容の2歳頃からの絵本として紹介しています。
この絵本の役割
この本の役割は、「失敗しても、またやってみて大丈夫」と親子へ伝えることです。
トイレトレーニングでは、
- トイレに座ったけれど出なかった
- トイレから戻った直後に出た
- できていたのに、また失敗が増えた
- 遊びに夢中で間に合わなかった
ということがあります。
でも、失敗は「できなくなった証拠」ではありません。
子どもは、尿意や便意に気づき、我慢し、トイレまで移動し、衣服を下ろすという複数の動作を少しずつ結びつけています。
『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』は、子どもだけでなく、失敗が続いて疲れているパパやママにも、
「今は覚えている途中なんだ」
と思い出させてくれる一冊です。
こんな親子におすすめです
- パンツで過ごし始めた
- おもらしが続いている
- 子どもが失敗を気にしている
- パパやママも疲れてきた
- できる日とできない日を繰り返している
失敗した時の声かけ
おもらしをした時は、長く注意するよりも、
「出たことを教えてくれてありがとう」
「ぬれたね。きれいなパンツに替えよう」
「次に出そうになったら、一緒にトイレへ行ってみようね」
と、次の行動を短く伝える方が、子どもにも分かりやすくなります。
- 「どうして言わなかったの?」
- 「昨日はできたのに」
- 「もうお兄さん・お姉さんでしょう」
と比べたり責めたりすると、トイレそのものが嫌になることがあります。
トイレトレーニングは数か月かかる場合があり、途中で失敗することも自然な過程です。うまくいかなかった時に叱ったり罰を与えたりせず、強い拒否が続く場合は数週間休む方法も示されています。
パンツをぬらさなかった日だけでなく、トイレへ行こうとしたことや、出たことを知らせたことも成長です。
トイレでできるようになった後に読みたい
『じぶんで おしり ふけるかな』

作・絵:深見春夫
監修:藤田紘一郎
出版社:岩崎書店
主人公のひろきくんがうんちをしていると、不思議な世界へ入り、出会った動物たちから「おしりをふけるかな?」と問いかけられます。
トイレトレーニングの絵本は、便座へ座って排泄できた場面で終わるものも少なくありません。
しかし、実際の生活では、
- トイレットペーパーを取る
- おしりを拭く
- 衣服を整える
- 水を流す
- 手を洗う
ところまで続きます。
『じぶんで おしり ふけるかな』は、一般的なトイトレ絵本では扱われることの少ない、排泄後の自立に目を向けた絵本です。岩崎書店では3・4歳を対象年齢とし、楽しい物語とともに、おしりを拭くことへつなげるトイレトレーニング絵本として紹介しています。
この絵本の役割
この本の役割は、自分でおしりを拭いてみようという興味を育てることです。
トイレでうんちができるようになっても、自分できれいに拭くことは簡単ではありません。
- 後ろまで手が届かない
- ペーパーをどのくらい取るか分からない
- 拭き残しに気づけない
- 紙が途中で破れてしまう
- 服を汚してしまう
こともあります。
絵本を読んだからといって、すぐに一人で完全に拭けるようになるわけではありません。
まずは子どもが自分で拭き、その後に大人が確認するなど、少しずつ練習していきましょう。
こんな親子におすすめです
- トイレでうんちができるようになった
- 自分でやりたがることが増えた
- 入園や進級に向けて練習したい
- 拭き方を言葉だけで説明するのが難しい
- 排泄後の一連の流れまで覚えてほしい
一緒に練習する時のポイント
最初からすべてを一人で任せるのではなく、
- 子どもが自分でペーパーを取る
- 自分で拭いてみる
- 大人が仕上げと確認をする
- 衣服を整える
- 水を流す
- 石けんと流水で手を洗う
というように、一部分から任せてみましょう。
女の子が排便後に拭く場合は、便の汚れを尿道側へ運ばないよう、前から後ろへ向かって拭くことが基本です。
また、トイレの後の手洗いも、排泄動作の一部として一緒に覚えていくことが大切です。国立成育医療研究センターも、子どもが習慣にしたい手洗いのタイミングとして、トイレの後を挙げています。
「一人で全部やって」
ではなく、
「今日は紙を取るところをやってみよう」
「自分で拭けたら、最後に一緒に確認しようね」
と、一つずつ任せていくと取り組みやすくなります。
3冊を読むおすすめの順番
子どもの発達に合わせると、次の流れが分かりやすくなります。
1.トイレや排泄を知る
『おむつのなか、みせてみせて!』
- うんちって何だろう
- トイレってどんな場所だろう
という興味につなげます。
2.失敗しても大丈夫だと知る
『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』
パンツをぬらしても、着替えて、もう一度試せることを伝えます。
3.排泄後の動作を覚える
『じぶんで おしり ふけるかな』
トイレで出せるようになった後の、拭く・流す・手を洗うという自立につなげます。
ただし、必ずこの順番で読む必要はありません。
トイレを嫌がっている子どもには1冊目へ戻り、失敗を気にしている時には2冊目を開くなど、その日の気持ちに合わせて何度でも行き来して大丈夫です。
絵本をトイトレに生かす5つのポイント
1.読み終わった直後に結果を求めない
絵本を読んでも、すぐに便座へ座らないことがあります。
それでも、子どもの中には、
「トイレってこういうものなんだ」
という理解が少しずつ積み重なっています。
2.登場人物と子どもを比べない
「ぷくちゃんはできたのに」
「絵本の子は一人で拭いているよ」
と比べると、絵本がプレッシャーになることがあります。
絵本はお手本ではありますが、合格基準ではありません。
3.失敗した直後より、落ち着いた時間に読む
失敗した直後に「この絵本を見て」と渡すと、注意されているように感じる子もいます。
寝る前や遊びの合間など、親子が落ち着いている時に楽しみましょう。
4.子どもが気に入った一冊を繰り返す
3冊をすべてそろえなくても大丈夫です。
同じ絵本を繰り返し読むことで、言葉や場面を覚え、実際のトイレでも思い出しやすくなることがあります。
5.家庭と保育施設で言葉をそろえる
家庭では「おしっこ」、園では「ちっち」など、呼び方が違うと、小さな子どもには分かりにくいことがあります。
トイレトレーニングでは、家庭、祖父母、保育施設など、子どもに関わる大人が、体の部位や排泄について同じ言葉を使うことも大切です。
園での様子を聞きながら、
- どんなタイミングで誘っているか
- どのような言葉を使っているか
- 一人でできるところ
- まだ手伝いが必要なところ
を共有しておきましょう。
トイトレを少し休んでもよい時
次のような様子が続く時は、無理に進めず、一度休んでも大丈夫です。
- トイレを見るだけで強く嫌がる
- 便座へ座ると泣く
- おしっこやうんちを長く我慢する
- 失敗を極端に怖がる
- 引っ越し、入園、きょうだいの誕生など、大きな生活変化があった
- 親子ともに疲れている
絵本だけを楽しみ、トイレへ誘う回数を減らす期間があっても構いません。
また、
- うんちが硬く、出す時に痛がる
- 排便を我慢している
- 血が付く
- 何日も出ない状態を繰り返す
- お腹の張りや痛みがある
場合は、トイレトレーニングの問題ではなく、便秘などが関係している可能性があります。
痛い経験が続くと、子どもがさらに排便を我慢することがあります。排便の悩みが続く場合は、かかりつけの小児科へ相談してください。日本トイレ研究所も、子どもの便秘や排便異常は早めに専門家へ相談することを案内しています。
歌でもトイレの流れを確認できます
ホッピースマイルでは、トイレへ行くタイミングや、トイレで行うことを動画で伝える「トイレトレーニングの歌」を公開しています。
- 絵本でゆっくり知る。
- 歌で繰り返し思い出す。
- 実際のトイレで少し試してみる。
まとめ|絵本は「できるようにする本」ではなく、親子に寄り添う一冊
今回紹介した3冊には、それぞれ異なる役割があります。
- 『おむつのなか、みせてみせて!』
トイレや排泄に興味を持つ - 『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』
失敗しても大丈夫だと知る - 『じぶんで おしり ふけるかな』
排泄後の拭き方と自立につなげる
トイレトレーニングは、昨日できたことが今日はできなかったり、しばらく休んだ後に急に進んだりします。
子どもの成長は、一直線ではありません。
- トイレで出なかった日も、便座に座れた
- 座れなかった日も、絵本を一緒に見られた
- 失敗した後に、出たことを知らせられた
その一つ一つが、次につながる経験です。
「早くおむつを外すこと」だけをゴールにせず、子どもが自分の体の感覚を知り、安心して大人へ伝えられることを大切にしていきましょう。
パパやママも、毎日本当にお疲れ様です。
うまく進まない日は、絵本を一冊開くだけでも十分です。
親子のペースで、少しずつ進んでいけますように。
保育施設・子育て支援施設の皆さまへ
ホッピースマイルでは、歌、動画、ポスター、メルマガ、安全記事などを通じて、子どもが生活習慣や安全について楽しく繰り返し学べる環境づくりを進めています。
家庭、保育施設、企業・団体が一緒になって、親子を支えられる取り組みを広げていきたいと考えています。
この記事で紹介する書籍について
絵本の内容、子どもの発達段階、親子にとっての役割をもとに、編集方針として3冊を選んでいます。
書籍の対象年齢は目安です。実際に読む際は、子どもの興味や発達、家庭でのトイレトレーニングの状況に合わせて選んでください。













