子どもが体調を崩し、病院で薬を処方してもらったものの、

  • 口を開けてくれない
  • 苦いと言って吐き出してしまう
  • 薬の時間になると逃げてしまう

と困ることがありますよね。

子どもに元気になってほしいと思うほど、パパやママも「何とか飲ませなくては」と焦ってしまうと思います。

我が家でも、子どもが粉薬を嫌がり、さまざまな方法を試した時期がありました。

ただし、すべての薬に使える万能な飲ませ方はありません。

食品や飲み物との相性、飲ませる時間、保管方法は薬によって異なります。まずは薬袋や説明書を確認し、分からないことは、薬を受け取った薬局の薬剤師へ相談することが大切です。東京都立病院機構や群馬県立小児医療センターも、薬によって食品との相性や苦味の出方が異なると案内しています。

この記事では、子どもが薬を嫌がる理由から、粉薬・シロップの飲ませ方、飲めなかった時の対応、家庭での安全な保管までを分かりやすく解説します。

子どもはなぜ薬を嫌がるの?

子ども用の薬には、甘い味や香りを付けて飲みやすくしたものもあります。

それでも、有効成分自体の苦味、粉っぽさ、におい、口に残る感覚などを嫌がる子どもは少なくありません。抗菌薬やステロイド薬など、甘く味付けされていても苦味が残る薬もあります。

また、一度苦い思いをすると、

  • 薬の袋を見ただけで嫌がる
  • スプーンを近づけると口を閉じる
  • 以前混ぜた食品まで嫌がる
  • 飲む前から吐きそうになる

こともあります。

苦い味を避けようとする反応や、以前の嫌だった経験を覚えていることが、薬への抵抗につながることがあります。

叱ったり、大勢で押さえつけたりすると、薬の時間そのものが怖い経験として残る可能性があります。まずは子どもの嫌がる理由を見ながら、飲ませ方を一つずつ試してみましょう。

薬を飲ませる前に確認したいこと

薬を受け取った時は、次の内容を確認しておくと安心です。

  • 何のための薬か
  • 1回に飲む量
  • 1日に飲む回数
  • 飲ませる時間
  • 何日間続けるか
  • 食品や飲み物へ混ぜてよいか
  • 冷蔵庫で保管する必要があるか
  • 飲み忘れたり吐いたりした時の対応

薬によっては、剤形を粉薬、シロップ、錠剤などから選べる場合もあります。以前飲みやすかった形や、苦手だった味が分かっている場合は、診察時や薬局で伝えておきましょう。

処方された薬は、子どものその時の症状や体重などをもとに選ばれています。量や回数を自己判断で変えたり、以前残った薬を使ったり、きょうだいへ分けたりしないでください。

粉薬を飲ませる方法

少量の水でペースト状にする

乳幼児の粉薬では、少量の水で練る方法があります。

1回分の粉薬へ水を数滴加え、まとまる程度のペースト状にします。清潔な指で少量ずつ取り、味を感じやすい舌の上を避けて、頬の内側や上あごへ付けます。

その後、すぐに水や湯冷ましなどを飲ませ、口の中に残った薬を流します。薬は作り置きせず、飲ませる直前に1回分だけ用意してください。

子どもの上体を起こし、落ち着いた姿勢で行います。

子どもの顔を上へ向け、喉の奥へ粉薬や液体を一気に入れる方法は避けましょう。むせたり、誤って気管へ入ったりするおそれがあります。愛知県薬剤師会も、上を向かせるのではなく、十分な水とともに安全な姿勢で飲ませるよう案内しています。

少量の食品や服薬補助ゼリーに混ぜる

ペースト状では飲めない場合は、薬剤師へ確認したうえで、

  • 服薬補助ゼリー
  • アイス
  • プリン
  • ヨーグルト
  • 少量の飲み物

などへ混ぜる方法があります。

ただし、どの薬にも同じ食品が合うわけではありません。

一部の抗菌薬は、オレンジジュースやスポーツドリンク、ヨーグルトなど酸味のある食品と混ぜることで、苦味が強くなる場合があります。また、薬の作用や吸収へ影響する組み合わせもあるため、処方された薬ごとに確認が必要です。

我が家では、薬剤師へ確認したうえで、少量のチョコレートアイスへ混ぜると飲めたことがありました。

しかし、これは我が家の一例です。チョコレートアイスなら、どの薬でも苦味を消せるという意味ではありません。

食品へ混ぜる時の注意点

食品へ混ぜる場合は、次の点を守りましょう。

  • 必ず飲ませる直前に混ぜる
  • 1回分だけ用意する
  • 一口か二口で食べ切れる少量にする
  • 食べ残した量が分からない場合は、追加で薬を入れない
  • 主食やミルク一瓶、料理一皿全体には混ぜない
  • 熱い食品へ混ぜない
  • 食物アレルギーを確認する
  • 1歳未満には、はちみつを含む食品を使わない

量の多い食品へ混ぜると、子どもが食べ残した時に、薬をどのくらい飲めたのか分からなくなります。

また、ミルクや日常的に食べる主食へ混ぜると、味の変化を嫌がり、その食品自体を受け付けなくなる可能性があります。

シロップ薬の飲ませ方

シロップ薬は、成分が均一になるよう、薬剤師や説明書の指示に従って容器を静かに混ぜます。強く振ると泡立ち、量りにくくなることがあります。

薬局から渡された計量カップ、スポイト、内服用シリンジなどで、1回量を正確に量ってから飲ませます。容器から直接飲ませると、量が不正確になったり、容器内が汚染されたりするため避けましょう。

乳幼児へスポイトやシリンジで飲ませる場合は、

  • 上体を起こす
  • 先端を頬の内側へ向ける
  • 一度に流し込まず、少しずつ飲ませる
  • 喉の奥へ直接入れない
  • 飲んだ後に水や湯冷ましを与える

ことを意識します。

使用後のカップやシリンジは、よく洗って乾かしてください。

シロップ薬をすべて冷蔵庫へ入れるとは限りません。薬袋や容器に書かれた保管方法を優先し、分からない時は薬剤師へ確認しましょう。

錠剤やカプセルを自己判断で砕かない

粉薬の量が多い子どもでは、錠剤やカプセルの方が飲みやすい場合があります。

ただし、飲みにくそうだからといって、錠剤を勝手に砕いたり、カプセルを開けたりしてはいけません。

薬の中には、ゆっくり成分が溶け出すように作られたものや、胃では溶けずに腸で溶けるよう工夫されたものがあります。形を変えると、本来の効き方が変わる可能性があります。

飲みづらい場合は、粉薬やシロップなど別の形へ変更できないか、医師や薬剤師へ相談してください。

子どもへの伝え方も大切です

言葉を理解できるようになってきた子どもには、怖がらせず、短い言葉で説明します。

  • 「先生が、今の症状に合わせて出してくれた薬だよ」
  • 「飲むと、体が元気になるのを助けてくれるよ」
  • 「苦かったら、お水を飲もうね」
  • 「どのスプーンで飲む?」

「飲まないともっと病気がひどくなるよ」と脅したり、薬を「お菓子」「ジュース」と偽ったりすることは避けましょう。

消費者庁も、薬はお菓子ではないことを子どもへ伝えるよう注意を呼びかけています。

飲めた時は、結果だけでなく、

  • 「口を開けられたね」
  • 「少しずつ飲めたね」
  • 「苦かったけれど頑張ったね」

と、できた行動を具体的に認めてあげてください。

薬を吐いた・こぼした時はどうする?

薬を飲んだ直後に吐いた場合でも、すでに一部を飲み込んでいる可能性があります。

また、吐いた量や薬の種類によって、もう一度飲ませるかどうかは異なります。

どのくらい飲めたか分からない時は、自己判断で1回分を追加せず、処方した医療機関か調剤した薬局へ確認してください。

追加で飲ませることで、結果的に量が多くなる可能性があります。

飲み忘れた場合も、次の回に2回分をまとめて飲ませてはいけません。次の服用時間が近い時など、対応は薬によって異なるため、薬剤師へ確認しましょう。

処方された日数と回数を守る

症状がよくなったように見えても、薬を続ける期間や中止する時期は薬によって違います。

特に抗菌薬は、医師から指定された量と期間を守り、自己判断で中断したり、以前残った薬を使ったりしないことが大切です。

副作用が心配な時も、自己判断で量を減らしたり中止したりせず、医師や薬剤師へ相談してください。

薬の誤飲を防ぐ保管方法

子ども用のシロップ薬や錠剤には、甘い味やきれいな色のものもあります。

薬をおいしい物と覚えると、自分で探して飲もうとすることがあります。冷蔵庫や高い棚に置いただけでは、椅子や踏み台を使って手を伸ばす可能性もあります。

家庭では、次の対策を行いましょう。

  • 子どもの目に入らず、手が届かない場所へ保管する
  • 必要に応じて、鍵のかかる棚や開けにくい容器を使う
  • 服用後は、すぐ元の保管場所へ戻す
  • テーブルやバッグの中へ置いたままにしない
  • 薬を食品の容器へ移し替えない
  • 子どもごとに薬を分け、名前を確認する
  • 冷蔵保管の薬も、子どもが取り出せないようにする
  • 古い薬や残った薬を自己判断で再利用しない

薬は高温、多湿、直射日光を避け、冷蔵の指示がある場合も凍らせないようにします。

薬を間違えて飲んだ時の対応

子どもが大人の薬や、きょうだいの薬を飲んだ可能性がある時は、家庭で無理に吐かせないでください。

薬の名前、飲んだ可能性のある量、時刻、子どもの年齢・体重・現在の様子を確認し、薬の袋や容器を手元に置いて、医療機関や中毒110番へ相談します。

呼吸がおかしい、意識がはっきりしない、けいれんしているなど、普段と明らかに違う場合は、すぐに119番へ連絡してください。

中毒110番・一般専用

  • 大阪中毒110番:072-727-2499
  • つくば中毒110番:029-852-9999
  • 365日24時間対応・情報提供料無料

現在の受付情報は、日本中毒情報センターの公式案内で確認できます。

夜間や休日に、子どもの症状や受診について迷う時は、全国共通の子ども医療電話相談「#8000」も利用できます。

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この記事について

本記事は、子どもへの一般的な薬の飲ませ方を紹介するもので、個々の薬に対する医師や薬剤師の指示に代わるものではありません。

実際に飲ませる際は、薬袋、説明書、医師・薬剤師から受けた指示を優先してください。

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