タンスの引き出しは子どもには「階段」に見えることも|家具の転倒事故を防ぐために
多くのご家庭にある、タンスや引き出し付きの収納家具。
大人にとっては「服や物をしまう家具」ですが、子どもは必ずしも同じように見ているとは限りません。
引き出しを一つ開け、その上にもう一つ。
すると子どもの目には、上へ登れそうな「階段」のように見えることがあります。
- 「上には何があるんだろう?」
- 「登れそう!」
そんな好奇心から、引き出しに足をかけたり、ぶら下がったりすることがあります。
家具は普段、静かに置かれているため危険を感じにくいものです。
しかし、子どもが引き出しを開けて登ろうとした瞬間、家具が転倒する危険が生まれることがあります。
消費者庁にも、子どもがタンスの引き出しを階段状にして登っていたところ、タンスが倒れ、下敷きになってけがをした事故が報告されています。
タンスや収納家具は、なぜ倒れることがあるの?
引き出し付きの家具は、複数の引き出しを手前に出すことで家具全体の安定性が悪くなることがあります。
さらに、開いた引き出しに子どもが足をかけたり、体重をかけたり、ぶら下がったりすると、家具を前へ倒す方向に力が加わります。
その結果、タンスや収納家具が前方へ転倒し、子どもが下敷きになるおそれがあります。
消費者庁は、タンスや棚などの家具やテレビが転倒し、子どもが下敷きになる事故について、場合によっては重大な結果につながるとして注意を呼びかけています。
ここで大切なのは、背の高いタンスだけを危険だと思わないことです。
実際には、棚につかまり立ちをしたり、家具にぶら下がったりすることで転倒した事故も報告されています。家具の高さだけではなく、子どもが力をかけたときに倒れる可能性がないかという視点で確認することが大切です。
子どもはなぜ家具に登ってしまうの?
小さな子どもは好奇心が旺盛です。
- この引き出しには何が入っているんだろう
- 上には何があるんだろう
と興味を持つのは、決して不自然なことではありません。
消費者庁も、子どもは家具によじ登ったり、ぶら下がったり、大人が思っていなかった方法で家具を使うことがあると注意を呼びかけています。
大人にとっては「収納家具」でも、子どもにとっては、
- つかまれるもの
- 足を乗せられるもの
- 上へ登れそうなもの
になることがあります。
そのため、
「うちの子は登らないから大丈夫」
だけで考えるよりも、
「子どもには、引き出しが階段のように見えることもある」
と考えて、あらかじめ環境を整えておくことが事故予防につながります。
家庭でできる家具の転倒事故予防
家具による事故では、「登らないでね」と伝えることも大切です。
ただし、子どもへの注意だけに頼るのではなく、子どもが登ろうとしても重大な事故につながりにくい環境を大人がつくっておくことが重要です。
家庭では、次のポイントを確認してみてください。
家具を適切な方法で固定する
タンスや棚などは、家具や壁の状態に合った転倒防止器具などを使って固定しましょう。
家具によって適切な固定方法は異なるため、取扱説明書やメーカーの案内を確認することも大切です。
消費者庁も家具の固定を勧めており、壁へ固定する場合は壁の構造に適した方法を選ぶよう案内しています。
転倒防止器具を付ければ絶対に倒れない、ということではありません。 製品や設置場所に合った方法で正しく固定することが大切です。
引き出しや扉を簡単に開けられないようにする
子どもが引き出しを開け、その引き出しを足場にして登ることがあります。
引き出しや扉には、必要に応じて鍵やチャイルドロック、ストッパーなどを取り付け、子どもが簡単に開けられないようにしましょう。
消費者庁も、家具の固定とあわせて、引き出しに鍵やストッパーを付けることを勧めています。
家具の上に「取りたいもの」を置かない
おもちゃ、お菓子、リモコンなど、子どもが興味を持つものが家具の上にあると、
「取りたい!」
という気持ちから登ろうとするきっかけになることがあります。
家具の上には、子どもの興味を引くものをできるだけ置かないことも大切な対策です。
使っていない引き出しは閉めておく
開いたままの引き出しは、子どもにとって足を乗せやすい場所になることがあります。
衣類などを出したあとは引き出しを閉め、複数の引き出しを同時に開けたままにしないことも習慣にしておきましょう。
親子で確認したい安全ルール
子どもには、難しい仕組みを説明するより、短い言葉で繰り返し伝える方が覚えやすくなります。
たとえば、
- タンスの引き出しには、登らないよ
- 引き出しは階段じゃないよ
と、一緒に確認してみてください。
ただし、子どもとの約束だけで安全を守ろうとするのではなく、
「登らないと伝える」+「家具を固定する」+「引き出しを簡単に開けられないようにする」
というように、子どもへの安全教育と大人側の環境づくりを組み合わせることが大切です。
家具は「いつもそこにあるもの」だからこそ、一度確認を
家具は毎日目にするため、危険なものには見えにくいかもしれません。
でも、子どもの目線で見ると、大人とはまったく違う使い方が見えてくることがあります。
今日、お子さんがよく過ごす部屋を一度見渡してみてください。
- タンスや棚は固定されていますか?
- 引き出しを子どもが簡単に開けられる状態になっていませんか?
- 家具の上に、子どもが取りたくなるものを置いていませんか?
すべてを一度に変える必要はありません。
まずは、よく使う部屋の家具を一つ確認することから始めてみてください。
子どもの「登ってみたい」という好奇心を責めるのではなく、その行動を想定した環境をつくっておくことが、家具の転倒事故のリスクを減らすことにつながります。
ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子に届けています。
家具メーカー、住宅関連企業、インテリア・収納用品を扱う企業、自治体、保育・教育施設などの皆さまと連携することで、家具の転倒事故をはじめとした家庭内事故予防の情報を、より多くの親子へ届けるきっかけにもつなげられると考えています。
企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの安全を社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。













