新一年生の安全な登下校|入学前に親子で確認したい交通安全のポイント
小学校への入学は、子どもにとって大きな成長の一歩です。
これまで大人と手をつないで歩くことが多かった子どもが、友だちと一緒に登校したり、自分で安全を確認しながら道路を歩いたりする機会が増えていきます。
楽しみな気持ちがある一方で、
- ひとりで安全に歩けるだろうか
- 横断歩道をきちんと渡れるだろうか
- 道路に飛び出してしまわないだろうか
と心配になる保護者の方も多いと思います。
交通安全は、一度ルールを説明すれば身につくものではありません。
実際の通学路を親子で歩き、その場所にある危険を具体的に伝え、何度も繰り返し練習することが大切です。
この記事では、新一年生が安全に登下校するために、入学前から家庭で確認しておきたいポイントを分かりやすく紹介します。
小学校低学年は、歩行中の事故に特に注意が必要です
警察庁が公表した令和3年から令和7年までの統計では、小学校1年生の交通事故による死者・重傷者のうち、歩行中だった子どもは415人でした。小学校6年生の167人と比べると、約2.5倍です。
また、小学生の事故は4月から6月にかけて増える傾向があり、通行目的では「下校中」が最も多く、子どもの側の行動では「飛び出し」が多くなっています。
これは、子ども自身を責めるための数字ではありません。
小学校へ入学すると、子どもだけで移動する範囲が急に広がります。一方で、低学年の子どもは、周囲を広く見渡したり、車の速度や距離を正確に判断したり、複数の方向へ同時に注意を向けたりする力が、まだ発達の途中です。
大人には見えている車や信号が、子どもには見えていないこともあります。JAFも、子どもの視野は大人より狭く、同じ道路でも見えている範囲が異なる可能性を示しています。
だからこそ、単に「気をつけてね」と送り出すのではなく、どこで止まり、何を見て、どのように判断するのかまで、具体的に練習しておく必要があります。
入学前に、実際の通学路を親子で歩いてみましょう
最初に行いたいのは、学校が指定している通学路を、親子で実際に歩くことです。
警視庁も、入学前に子どもと通学路を歩き、できるだけ実際の登下校時間に合わせて、横断歩道や信号、標識などを現場で教えるよう呼びかけています。
休日の交通量が少ない時間だけでは、平日の登下校時と道路の様子が異なることがあります。
可能であれば、
- 平日の登校時間
- 下校時間
- 晴れの日
- 雨の日
など、異なる条件で確認してみましょう。
通学路で確認したい場所
親子で歩く時は、次のような場所を重点的に確認します。
- 信号機のない横断歩道
- 見通しの悪い交差点や曲がり角
- 駐車場や店舗、住宅から車が出てくる場所
- 停車車両や植え込みで左右が見えにくい場所
- 歩道と車道の区切りがない道路
- 自転車が速い速度で通る場所
- 踏切
- 工事などで通路が変わる可能性がある場所
「ここは危ないから気をつけて」だけでは、子どもには具体的な行動が分かりにくい場合があります。
- 「この角では、白い線の前で止まろう」
- 「この駐車場から車が出てくるかもしれないから、入口の前で一度見よう」
- 「この横断歩道では、車が止まってから渡ろう」
というように、場所と行動をセットで伝えることが大切です。
行きと帰りの両方を歩く
同じ道路でも、進む方向が変わると見え方が変わります。
登校時には見えやすかった車が、下校時には塀や停車車両の陰に隠れることもあります。
行きだけでなく、帰り道も一緒に歩きましょう。近道や友だちに誘われた道ではなく、行きも帰りも決められた通学路を通ることを確認します。
子どもに任せる練習は、少しずつ段階を踏みましょう
最初は、保護者が子どもの隣を歩き、安全確認の方法を一つずつ伝えます。
慣れてきたら、子どもに少し前を歩いてもらい、
- 「次はどこで止まる?」
- 「どちらから車が来るかな?」
- 「この横断歩道は、今渡っても大丈夫かな?」
と問いかけてみましょう。
すぐに答えを教えるのではなく、子ども自身に考えてもらうことで、安全確認の習慣につながります。
ただし、交通量が多い道路や見通しの悪い場所では、無理に子どもだけで判断させる必要はありません。
保護者がすぐに手を伸ばせる距離を保ち、安全を確保しながら段階的に練習することが大切です。
道路を歩く時の基本を確認しましょう
歩道がある道路では歩道を歩き、路側帯がある場合はその内側を歩きます。歩道も路側帯もない道路では、原則として道路の右端を一列で歩きます。
親子で、次の行動を確認しておきましょう。
- 友だちと横に広がらない
- 道路では走らない
- ふざけたり、押し合ったりしない
- 車道側へ急に寄らない
- 歩きながら物を取り出さない
- 周囲の音や車の動きに注意する
- 道路へ転がった物を追いかけない
登校中は、友だちを見つけて走り出したり、話に夢中になって周囲を見なくなったりすることがあります。
「走らない」と伝えるだけでなく、友だちを見つけても、まず止まって周りを見るという行動まで決めておくと、子どもが思い出しやすくなります。
横断歩道は「止まる・見る・確かめる」が基本です
横断歩道は歩行者優先です。
運転者には、横断しようとしている歩行者がいる場合、横断歩道の手前で一時停止して道を譲る義務があります。
ただし、子どもには「横断歩道だから車が必ず止まる」と教えないことが大切です。
横断する時は、次の順番を親子で確認しましょう。
- 横断歩道の手前で必ず止まる
- 右・左・もう一度右を見る
- 手を上げるなどして、渡る意思を運転者に伝える
- 車が完全に止まったことを確かめる
- ほかの車や自転車が来ていないか確認する
- 走らず、周りを見ながら渡る
信号のない横断歩道では、一台の車が止まっても、その車の陰から別の車や自転車が出てくる可能性があります。
警視庁も、止まった車だけでなく、ほかの車の動きや、停車車両の陰から来る車に注意するよう呼びかけています。
「車が一台止まったから渡る」のではなく、「左右とすべての車線の安全を確かめてから渡る」と伝えましょう。
青信号でも、すぐには渡り始めません
歩行者信号が青になっても、右折車や左折車が横断歩道へ入ってくることがあります。
青信号になったら、
- すぐに飛び出さない
- 左右を確認する
- 曲がってくる車を見る
- 車が止まったことを確認する
- 歩いて渡る
ことを練習しましょう。
青信号が点滅している時は、新たに渡り始めず、次の青信号を待ちます。
子どもには、次のような短い言葉で伝えると覚えやすくなります。
「青でも、すぐに行かない。右、左、車が止まったら渡る」
停車している車の前後から渡らない
道路脇に止まっている車の前や後ろから横断すると、近づいてくる車が見えにくくなります。
同時に、走ってくる車の運転者からも、子どもの姿が見えません。
警察庁も、走行中の自動車の直前や直後を横断することや、横断歩道以外を横断することの危険性を呼びかけています。
横断歩道が少し遠くても、見通しのよい場所まで移動し、横断歩道や信号を利用しましょう。
「近い道より、安全に渡れる道を選ぶ」ことを、親子の約束にしてください。
朝は、時間に余裕を持って出発しましょう
寝坊や忘れ物で登校時間が遅くなると、子どもは焦って走ったり、安全確認を省いてしまったりすることがあります。
警視庁も、遅刻しそうになって道路へ飛び出すことがないよう、前日に準備を済ませ、朝は時間に余裕を持って登校するよう案内しています。
交通安全は、道路に出てから始まるものではありません。
- 学校の準備を前日に済ませる
- 十分な睡眠をとる
- 朝食をとる
- 少し早めに家を出る
といった生活の準備も、事故のリスクを減らすことにつながります。
雨の日は、いつも以上に時間と心に余裕を
雨の日は、子どもも運転者も周囲が見えにくくなります。
傘で視界が狭くなるほか、雨音で車の接近に気づきにくくなることがあります。濡れた道路では車の停止距離も長くなるため、急な横断は特に危険です。
入学前に、実際に雨具を使用して歩く練習もしておきましょう。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 傘をまっすぐ持ち、前を見える状態にする
- 横断前は傘を少し上げ、左右を確認する
- 傘を振り回したり、傘で遊んだりしない
- フードが目や耳を遮っていないか確認する
- 滑りにくく、体に合った靴を使用する
- 手に荷物を持ちすぎない
- 明るく目立つ色の雨具を選ぶ
- 晴れの日より早めに出発する
特定の商品を購入することよりも、子どもの体に合い、視界と動きを妨げない雨具を選び、実際に使う練習をすることが重要です。
夕暮れ時や暗い時間には反射材を活用する
冬の下校時や、学童・習い事から帰る時間には、周囲が暗くなっていることがあります。
歩行者から車が見えていても、運転者から歩行者が見えているとは限りません。
警察庁は、薄暮時や夜間には、明るく目立つ服装を選び、靴、衣服、ランドセル、かばんなどに反射材やライトを付けることを推奨しています。
反射材は一か所だけでなく、車のライトが当たりやすいランドセルや靴など、複数の方向から見える位置に付けると、子どもの存在を知らせる助けになります。
ただし、反射材を付けていても、安全確認が不要になるわけではありません。
反射材は、交通ルールと安全確認を補うものとして活用しましょう。
GPSや防犯ブザーは、安全確認を補う道具です
GPSや防犯ブザーは、登下校の見守りを補助する道具として役立つことがあります。
ただし、GPSは子どもの位置を確認するものであり、交通事故を直接防ぐものではありません。また、防犯ブザーをランドセルに付けていても、子どもの手が届かなかったり、使い方を知らなかったりすると、必要な時に使用できません。
利用する場合は、
- 学校への持ち込みルールを確認する
- 子どもの手が届く場所に付ける
- 実際に操作する練習をする
- 音や電池の状態を定期的に確認する
- 道具があるから安全とは考えない
ことが大切です。
この記事では特定の商品は紹介せず、通学路の練習と安全確認を基本にしたうえで、家庭に合った補助的な手段として検討することをおすすめします。
子どもだけに交通安全の責任を負わせないことも大切です
子どもが交通ルールを覚えることは大切です。
しかし、子どもの交通事故を「子どもが気をつければ防げる問題」と考えるべきではありません。
警察庁の交通安全運動でも、子どもへの教育だけでなく、通学路や生活道路の環境整備、横断歩道での歩行者優先、ながらスマホの防止、地域での見守りなどが重点として掲げられています。
子どもの安全を支えるためには、
- 家庭での繰り返しの交通安全教育
- 学校による通学路の確認
- 地域による見守り
- 自治体や警察による危険箇所の点検
- 運転者による横断歩道での停止
- 企業や事業者による安全運転教育
- 道路や駐車場の安全な環境づくり
が必要です。
子どもが安全を学ぶことと、大人や社会が安全な環境をつくることの両方が重要です。
親子で繰り返したい交通安全の約束
子どもには、長い説明よりも、短く覚えやすい言葉で伝えましょう。
- 道路の前では、必ず止まる
- 右、左、もう一度右を見る
- 青信号でも、車を見る
- 車が止まってから、歩いて渡る
- 止まった車の陰から来る車にも気をつける
- 友だちを見つけても、道路には飛び出さない
- 少し遠くても、横断歩道を渡る
一度で覚えられなくても大丈夫です。
通学路を歩くたびに同じ言葉を繰り返すことで、安全を思い出すきっかけが少しずつ増えていきます。
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「交通安全の歌」でも、交通安全の大切な約束を親子で学べます。
ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子に届けています。
自治体、教育機関、保育施設、スポーツ施設、公園・レジャー施設、商業施設、交通機関、飲料・食品関連企業などと連携することで、熱中症予防を親子が身近に学べる機会を、さらに広げられると考えています。
企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの安全を社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。
参考にした主な公的情報
- 警察庁「令和8年春の全国交通安全運動の実施について」
- 警察庁「横断歩道は歩行者優先です」
- 警視庁「よいこのこうつうあんぜん」
- 警察庁「反射材・ライト」
- 京都府警察「親子でやくそく交通安全」













