補助便座は必要?選び方・踏み台の使い方・安全なトイレトレーニング
「そろそろ、大人用のトイレで練習してみようかな」
そう思って補助便座を探し始めると、ハンドル付き、踏み台付き、折りたたみ式、おまる兼用など、さまざまな種類が見つかります。
種類が多いため、
- どの形なら安全?
- 踏み台も必要なの?
- おまるを使わず、最初から補助便座でも大丈夫?
と迷う方も多いのではないでしょうか。
補助便座は、大人用便座の大きな開口部を子どもの体に合う大きさへ近づけ、安心して座るための道具です。国土交通省も、子ども用補助便座を、大人用便座の上に置いて子どもが便器内へ落ち込むことを防ぐための設備として説明しています。
ただし、補助便座を置くだけで、安全で排泄しやすい環境が完成するわけではありません。
便器への適合、座った時の安定、両足を支える踏み台、大人の見守りまでを一つの環境として考えることが大切です。
この記事では、補助便座の役割や種類、選び方、安全な使い方、踏み台の必要性について分かりやすく解説します。
補助便座はトイレトレーニングに必要?
補助便座は、すべての子どもに必ず必要なものではありません。
大人用便座へ安定して座れる体格になっている子どもや、子ども用便器を使える環境では、使わない場合もあります。
一方、次のような子どもには、補助便座が役立つことがあります。
- 大人用便座の穴が大きく、落ちそうで怖がる
- 便座の中へおしりが沈み込みやすい
- 体を支えるため、便座の端を強く握っている
- おまるから大人用トイレへ移る途中
- 自宅の便座へ安心して座れる環境を整えたい
補助便座を使うことで開口部が小さくなり、子どものおしりや太ももを支えやすくなります。
ただし、子どもが大人用トイレを強く怖がる場合は、無理に補助便座から始める必要はありません。低いおまるから始め、慣れてから補助便座へ移る方法もあります。
おまると補助便座のどちらが正解ということではなく、子どもが安心して座れる方を選びましょう。
補助便座だけでなく踏み台も大切です
補助便座を使っていても、子どもの両足が床から浮いていると、体が不安定になりやすくなります。
足がぶらぶらした状態では、
- 便座から落ちそうで怖い
- 上半身に力が入り続ける
- うんちをする時に踏ん張りにくい
- 一人で衣服を上げ下げしにくい
- 早く便座から降りたがる
といったことがあります。
補助便座を使う場合は、両足の裏を踏み台へしっかり置けるようにすることが大切です。
子どもの排泄支援を行う専門機関では、足裏を支え、膝が腰より少し高くなる姿勢が、安心して座り、排尿や排便をしやすい姿勢として案内されています。
踏み台を選ぶ時の確認ポイント
- 両足を平らに置ける広さがある
- 子どもの足が無理なく届く高さである
- 乗った時に前後左右へぐらつかない
- 床の上で滑りにくい
- 角や突起が鋭くない
- 子どもの体重に対応している
- 便器の形や配管に干渉しない
- 大人が使用する時に邪魔にならない場所へ片付けられる
洗面用の小さな台や、折りたたみ椅子などを代用すると、幅や安定性が足りない場合があります。
トイレでの使用を想定した、安定した踏み台を選び、使用前にぐらつきや破損がないか確認してください。
補助便座の主な種類と特徴
便座の上に置くシンプルなタイプ
大人用便座の上に設置する、基本的なタイプです。
軽くて扱いやすく、使わない時に収納しやすい特徴があります。
一方で、製品と便器の形が合わないと、
- 前後左右へ動く
- 傾く
- 便座との間に隙間ができる
- 子どもの体重をかけた時にずれる
ことがあります。
購入前に、自宅の便座の形や内寸・外寸を確認しましょう。O型、U型、V型などの形だけでなく、温水洗浄便座の厚みや傾斜によって、設置できない場合もあります。
ハンドル付きタイプ
前方や左右にハンドルがあり、子どもが手を添えられるタイプです。
手を置く場所があることで安心する子どももいますが、ハンドルが付いているだけで転落や転倒を防げるわけではありません。
前方のハンドルをまたぐタイプでは、ズボンやパンツを大きく下ろす必要があり、急いでいる時に座りにくいことがあります。
また、ハンドルへ強く体重をかけた時に補助便座がずれないか、実際の便器へ設置して確認することが大切です。
踏み台一体型タイプ
補助便座と階段状の踏み台が一体になっているタイプです。
子どもが便座まで上がりやすく、足を置く場所も分かりやすい特徴があります。
ただし、
- 便器の高さや形と合うか
- 脚が床へ均等に接しているか
- 子どもが上った時に傾かないか
- 手すりや便器へ強く体重をかけてもずれないか
- 使用後に安全に片付けられるか
を確認する必要があります。
乗り降りが安定するまでは、必ず大人が近くで見守りましょう。
おまる兼用タイプ
おまるとして使った後、便座部分を補助便座へ、土台を踏み台へ変更できるタイプです。
同じ座面を使い続けられるため、環境の変化を苦手とする子どもには安心材料になることがあります。
一方で、部品が多く、組み替えや洗浄、保管に手間がかかる場合もあります。
補助便座として自宅の便器へ適合するか、踏み台へ変更した時に安定するかを確認してください。
折りたたみ・携帯タイプ
小さく折りたためるため、外出や旅行で使いやすいタイプです。
ただし、公共トイレの便座は、自宅とは形や大きさが異なります。
- 便座へしっかり載っているか
- 吸盤や滑り止めが機能しているか
- 折りたたみ部分が開いた状態で固定されているか
- ずれやたわみがないか
を、子どもを座らせる前に大人が確認しましょう。
安定しない便器では、無理に使用しないことも大切です。
子どもに合う補助便座の選び方
自宅の便器へ確実に設置できる
最も優先したいのは、デザインや機能ではなく、自宅の便器へ正しく設置できることです。
製品の対応サイズを確認し、設置後に前後左右へ動かして、浮きやずれがないか点検します。
温水洗浄便座、特殊な形の便座、傾斜のある便座には使用できない製品もあります。
おしりが落ち込みすぎない
開口部が大きすぎると、子どもが便器内へ落ちそうに感じ、体を緊張させることがあります。
反対に、小さすぎると、おしっこやうんちが便座へ付きやすくなります。
子どものおしりや太ももが無理なく支えられ、排泄物が便器内へ落ちる大きさを選びましょう。
一人で衣服を下ろしやすい
トイレトレーニングでは、便座へ座ることだけでなく、
- ズボンやパンツを下ろす
- 便座へ座る
- 排泄する
- おしりを拭く
- 衣服を上げる
- 水を流す
- 手を洗う
という一連の動作を少しずつ覚えていきます。
前方に大きなハンドルがあると、衣服をすべて脱がなければ座れない場合があります。
子どもの発達段階や、家庭でどこまで一人で行ってほしいかも考えて選びましょう。
洗いやすく乾かしやすい
補助便座には、おしっこや便が付くことがあります。
- 丸洗いできる範囲
- クッション部分を取り外せるか
- 溝や接続部分へ汚れが入りにくいか
- 洗った後に水が残りにくいか
- 壁掛けやスタンドで乾かせるか
を確認します。
布製カバーやクッションは、冷たさをやわらげることがありますが、汚れた時にすぐ交換・洗濯できるよう、取扱方法を確認してください。
補助便座を安全に使う手順
大人が先に設置する
子どもを座らせる前に、大人が補助便座を便器へ設置します。
前後左右へ軽く動かして、
- ずれない
- 浮いていない
- 傾いていない
- 固定部品が外れていない
ことを確認します。
乗り降りを見守る
子どもが踏み台を使って上る場合は、転倒や便器への衝突を防ぐため、大人が近くで見守ります。
慣れるまでは手や体を支え、子どもが一人で急いで上らないようにしましょう。
長時間座らせない
おしっこやうんちが出るまで、長く座らせ続ける必要はありません。
目安として数分座り、出なければ終わりにします。専門的な子育て情報でも、3~5分程度で切り上げ、出なくても責めないことが勧められています。
「出なかったね」ではなく、
「座れたね」
と、取り組めた行動を認めましょう。
トイレの後は手を洗う
排泄後は、子どもも大人も石けんと流水で手を洗います。
こども家庭庁の保育所向け感染症対策ガイドラインでも、トイレの後には石けんと流水で手を洗うことが示されています。
補助便座を触った後も、手洗いまでをトイレの流れとして一緒に覚えていきましょう。
補助便座を衛生的に保つ方法
使用後は、汚れがないか確認し、製品の取扱説明書に従って清掃します。
日常的には、
- 排泄物が付いたら早めに取り除く
- 水拭きや指定された方法で清掃する
- 丸洗いできる製品は十分に洗う
- 洗った後はしっかり乾かす
- 清潔な物と接触しない場所へ収納する
ことを意識しましょう。
製品によっては、塩素系洗剤、アルコール、研磨剤などが使えない場合があります。
強い洗剤を自己判断で使用せず、製品の説明に従ってください。
収納する時も、床へ直接置いたままにするより、専用スタンドや洗浄できる収納場所を用意すると管理しやすくなります。
子どもが補助便座を怖がる時
大人用トイレには、
- 大きな穴
- 水が流れる音
- 換気扇や温水洗浄便座の音
- 狭さや暗さ
- 冷たい便座
- 水が跳ねる感覚
など、子どもが不安を感じる要素があります。
- 「穴が大きくて怖いんだね」
- 「流す音は、トイレを出てからにしようか」
と、何を怖がっているのかを確認しましょう。
服を着たまま短時間座る、補助便座を床に置いて触れてみる、トイレの扉を開けたまま練習するなど、段階を小さくする方法があります。
子どもによっては、おまるへ戻った方が安心できることもあります。
補助便座を使えないことを失敗と考えず、今の子どもが安心できる方法へ戻って大丈夫です。
便秘や排便時の痛みがある時
うんちをする時に、
- 強く痛がる
- 硬い便が続く
- 血が付く
- 何日も出ない
- トイレへ行くことを怖がる
- 足を交差させたり、体を固くして我慢する
様子がある場合は、便秘が関係していることがあります。
足が浮いた不安定な姿勢は排便しにくさにつながるため、補助便座だけでなく、足を支える踏み台も見直してください。
痛い排便が続くと、子どもがさらにうんちを我慢することがあります。
トイレトレーニングだけで解決しようとせず、症状が続く場合はかかりつけの小児科へ相談しましょう。
補助便座はいつまで使う?
補助便座を外す年齢に、決まった正解はありません。
次のような様子が増えてきたら、通常の便座を短時間試してみます。
- 大人用便座の穴を怖がらない
- おしりが便器内へ落ち込みにくい
- 安定して座れる
- 自分で乗り降りできる
- 補助便座を使いたがらなくなった
最初は補助便座ありとなしを選べるようにし、子どもの様子を見ながら移行します。
補助便座を外した後も、足が床へ届かない間は、踏み台を継続して使う方が姿勢を安定させやすくなります。
保育園・幼稚園と共有しておきたいこと
家庭で補助便座を使っていても、保育施設では子ども用便器を使用するなど、環境が異なることがあります。
施設とは、次の内容を共有しておきましょう。
- 家庭で使っている便座やおまるの種類
- 踏み台が必要か
- 一人でできること
- 乗り降りや衣服の操作で必要な手助け
- 怖がる音や場所
- おしっこやうんちの前に見られるサイン
- 便秘や排便時の痛みの有無
- 家庭で使っている声かけ
家庭と施設で同じ道具を使う必要はありません。
子どもが安心して排泄するために、どのような支えが必要かを共有することが大切です。
親子で確認したいトイレの流れ
子どもへは、短い言葉で一つずつ伝えてみましょう。
- 「ゆっくり、台にのぼろう」
- 「便座に、しっかり座ろう」
- 「足を台につけよう」
- 「終わったら、ゆっくりおりよう」
- 「最後に手を洗おう」
一人でできなかったことを責めるのではなく、
- 「足を台に置けたね」
- 「ゆっくり座れたね」
- 「出る前に教えられたね」
と、できた行動を具体的に伝えてあげてください。
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この記事で紹介する製品について
補助便座や踏み台の一般的な特徴と選び方を紹介しています。
実際に使用する際は、各製品の対象年齢、体重制限、対応便器、設置方法、清掃方法、取扱説明書を確認してください。













