ドアを閉める時、お子さんの手や指を挟まないように気をつけているご家庭は多いと思います。

けれど、その時に確認しているのは、ドアノブや取っ手がある側だけではありませんか?

実は、ドアの取っ手がない側にも、子どもの指を挟んでしまう危険なすき間があります。

それが、ドアの付け根にある「蝶番(ちょうつがい)」の周辺です。

毎日何度も開け閉めする室内のドアだからこそ、見落としやすい場所と、家庭でできる事故予防の方法を知っておきましょう。

なぜドアの「蝶番側」が危険なの?

ドアの付け根にも、指が入るすき間がある

ドアには、取っ手が付いている側と、ドアを支える蝶番がある側があります。

蝶番は、ドアを開け閉めする時に回転する、ドアの付け根にある金具のことです。

ドアノブ側は、閉まる時に指を挟むことを想像しやすいかもしれません。

しかし、蝶番側にも、ドアの動きによって広がったり狭くなったりするすき間があります。

そのすき間に子どもが指を入れたままドアが動くと、指が強い力で挟まれるおそれがあるのです。

特に小さな子どもの指は、大人が気に留めないようなわずかなすき間にも入り込むことがあります。

ドアの取っ手から離れた場所であっても、安全とは限りません。

骨折や指の切断につながる事故も報告されています

ドアによる指はさみ事故は、軽いけがだけで終わるとは限りません。

消費者庁には、保護者がドアの反対側に子どもがいることに気づかず扉を閉め、蝶番側で2歳の子どもの小指が挟まれ、骨折・一部断裂した事故が報告されています。

また、年上の子どもがドアを閉めた時に、4歳の子どもの指先が蝶番付近に挟まれ、切断された事例もあります。

事故の原因となるのは、特別な機械ではありません。

毎日の生活で使っている、身近な室内ドアです。

消費者庁も、室内のドアの指挟み事故について、骨折や切断などの重傷につながるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

子どもはなぜ、ドアのすき間に手を置いてしまうの?

小さな子どもにとって、ドアは大人が部屋を行き来するためのものというだけではありません。

ドアの後ろに隠れて遊んだり、開いたり閉まったりする動きに興味を持ったりすることがあります。

例えば、

  • 「ママについて行こう!」と思って、閉まりかけたドアに手をかける。
  • きょうだいとかくれんぼをしていて、ドアの裏側に隠れる。
  • ドアの端をつかみながら、開けたり閉めたりして遊ぶ。

こうした行動の中で、子ども自身も気づかないうちに、危険なすき間へ指を置いてしまうことがあります。

また、ドアを動かす側の大人から、ドアの向こう側にいる子どもが見えないこともあります。

東京都の調査でも、きょうだいがドアを開けた際に、蝶番周辺に手を置いていた幼い子どもが指を挟んだ事例が紹介されています。

つまり、子どもがドアの危険を知らないことだけでなく、大人から子どもの手の位置が見えにくいことも注意したいポイントなのです。

家庭でできるドアの指はさみ事故の予防ポイント

1.ドアを動かす前に、両側と子どもの位置を確認する

最も大切なのは、ドアを開け閉めする前の確認です。

取っ手側だけを見るのではなく、次の点も確認してみてください。

  • ドアノブ側に子どもの手や指がないか
  • 蝶番側のすき間に指を入れていないか
  • ドアの向こう側や裏側に子どもがいないか
  • 近くで遊んでいる子どもが、急にドアへ近づいてこないか

「ドアを閉める前に、子どもの位置とドアの両側を確認する」

この習慣が、思わぬ指はさみ事故のリスクを減らすことにつながります。

2.「閉めるよ」と声をかけ、子どもが離れたことを確認する

ドアを閉める前に、

「ドアを閉めるよ。手を離してね」

と声をかけることも、家庭でできる工夫の一つです。

ただし、小さな子どもは、声をかけただけでは危険を理解できない場合もあります。

声をかけるだけで終わらず、実際に子どもがドアから離れたことを目で確認してから動かしましょう。

3.蝶番側に指はさみ防止カバーを取り付ける

子どもが小さいうちは、注意を伝えるだけでなく、環境を整えることも大切です。

その方法の一つが、ドアの蝶番側に「指はさみ防止カバー」を取り付けることです。

指が入り込むすき間を覆うことで、挟まれるリスクを減らす対策になります。

ただし、ドアの構造や開く方向によって、適した製品や取り付け位置は異なります。

取り付ける場合は、ドアへの対応状況や取扱説明書を確認し、開閉に支障がないこと、外れたり破損したりしていないことも確かめましょう。

また、カバーを付けたからといって、すべての指はさみ事故を防げるわけではありません。

ドアを動かす前の確認も続けることが大切です。

4.風などでドアが突然閉まらないようにする

ドアは、大人や子どもが手で動かした時だけ閉まるわけではありません。

窓から入る風などによって、開いていたドアが急に閉まることもあります。

必要に応じてドアストッパーなどで固定することも、事故予防につながります。

固定具を使用する場合は、外れたり、子どもが動かしたりする可能性にも気を配りましょう。

東京都や消費者庁も、指はさみ防止グッズの活用や、ドアを開閉する際に子どもの位置を確認することを勧めています。

親子で確認したいドアの安全ルール

小さな子どもには、長い説明よりも短く覚えやすい言葉で伝えるのがおすすめです。

  • 「ドアの端やすき間に、指を入れないよ!」
  • 「ドアで遊ばないよ!」

そして、大人も一緒に覚えておきたいのが、

「ドアを動かす前に、両側と子どもの位置を確認する!」

というルールです。

実際のドアを親子で見ながら、

  • 「取っ手があるのはどっちかな?」
  • 「取っ手の反対側にも、指を挟むすき間があるんだよ」

と話してみるのもよいでしょう。

ただし、危険を教えるために、実際に指を入れたり、挟まれそうになる動きを再現したりする必要はありません。

危険な場所を知り、そこに手を入れないことを覚える。

それだけでも、家庭で安全を考える大切な一歩になります。

関連動画

「お家の中には危険がいっぱい」では、家庭内にある身近な危険を、子どもたちにも分かりやすい動画で紹介しています。

ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子に届けています。

住宅関連企業、建具メーカー、保育施設、教育機関などと連携し、家庭や施設のドアの安全について啓発することで、子どもたちの身近な事故を防ぐきっかけを広げられると考えています。

企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの安全を社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。