車が止まっても安全とは限らない|子どもと横断歩道を渡る時の注意点
信号のない横断歩道で、お子さんと一緒に車が止まるのを待っている時。
一台の車がゆっくりと止まってくれました。
「車が止まってくれたね。渡ろうか」
そんなふうに声をかけて、親子で横断歩道を渡ることもありますよね。
止まってくれた運転手さんに、感謝の気持ちを伝えることは大切です。
でも、その時にもう一つ、覚えておきたいことがあります。
それは、「一台の車が止まってくれても、横断歩道全体が安全になったとは限らない」ということです。
今回は、車が止まった横断歩道でも注意したい危険と、子どもと一緒に実践できる安全確認の方法をご紹介します。
なぜ車が止まってくれても、横断歩道は危険なことがあるの?
反対側から来る車まで止まっているとは限らない
例えば、信号のない横断歩道で、右から近づいてきた車が止まってくれたとします。
「よかった、渡れるね」
と思うかもしれません。
でも、左側から別の車が近づいている場合はどうでしょうか。
右から来た車が止まっていても、左から来る車まで止まっているとは限りません。
反対側から近づく車に気づかず渡り始めると、交通事故につながるおそれがあります。
これは、横断歩道のように歩行者が優先される場所でも注意が必要な危険です。
横断歩道では、運転者には歩行者の横断を妨げないよう停止する義務があります。しかし、すべての運転者が適切に停止するとは限りません。
だからこそ、横断する側も、一台だけでなく周囲の車の動きを確認することが大切なのです。
止まった車の陰から、別の車やバイクが来ることも
もう一つ知っておきたいのが、止まった車によって周囲が見えにくくなる危険です。
例えば、横断歩道の手前で大きな車が止まっている場面。
その車が視界を遮り、隣の車線を走っている車や、近づいてくるバイク、自転車などが見えない場合があります。
止まった車の横から、別の車両が現れるおそれがあるのです。
警視庁公認の交通安全情報サイトでも、止まった車の陰からバイクや自転車が出てくる危険について注意を呼びかけています。
また、道路交通法では、横断歩道の手前で止まっている車の横を通って前に出る場合、一時停止が必要です。横断歩道の手前30メートル以内での追い越し・追い抜きも禁止されています。
それでも、ルールを守らない車両が通過してしまう可能性はあります。
車の陰で見えない場所には、別の車両が近づいているかもしれない。
そう考えることが、安全確認につながります。
曲がってくる車にも注意が必要
交差点にある横断歩道では、右折や左折をしてくる車にも注意が必要です。
一台の車が止まっていても、別の方向から曲がってくる車があるかもしれません。
横断する前には、目の前の車だけでなく、右・左・周囲の交差点から近づいてくる車両も確認しましょう。
子どもはなぜ、車が止まるとすぐに渡りたくなるの?
「もう安全なんだ」と思ってしまうことがある
子どもは、車が止まってくれると、
「もう渡っていいんだ!」
と安心して、すぐに歩き出そうとすることがあります。
一台の車が止まったことに気を取られると、ほかの方向から来る車にまで注意を向けるのが難しい場合もあります。
また、
「運転手さんが待っているから、早く渡らなきゃ」
と思って、急いでしまうこともあるでしょう。
けれど、車が止まってくれたからといって、慌てて渡る必要はありません。
安全確認をしてから、落ち着いて横断することが大切です。
子どもの目線では、見えない場所が多い
子どもは大人よりも背が低いため、道路の見え方が異なります。
大人には見えている車でも、子どもの目線からは、止まった車や看板などに隠れて見えないことがあります。
政府広報も、子どもの目の高さでは道路の向こう側が見えにくいことを説明し、親子で実際の道路を歩きながら危険な場所を確認するよう勧めています。
大人には見えているから、子どもにも見えているとは限りません。
そのため、小さなお子さんと横断する時は、大人も一緒に周囲を確認することが大切です。
家庭でできる横断歩道の事故予防ポイント
1.車が止まってくれても、もう一度左右を確認する
横断歩道を渡る前には、道路の手前でいったん止まりましょう。
そして、
「右を見る、左を見る、もう一度右を見る」
という基本の安全確認を行います。
車が近づいている場合は、車が止まったことを確かめてから、さらに周囲を見ましょう。
特に、次のような車両がいないか確認することが大切です。
- 反対側から近づいてくる車
- 止まった車の横や陰から来るバイク・自転車
- 別の車線を走っている車
- 交差点を右折・左折してくる車
一台が止まったことだけで判断せず、横断する道全体を確認しましょう。
2.見えない場所がある時は、無理に渡らない
大きな車が止まっていて、その向こう側が見えないこともあります。
そんな時に、「車が止まってくれたから」と無理に渡り始めるのは危険です。
別の車が来ていないことを確認できない場合は、安全な場所で待ちましょう。
車の陰から急に飛び出したり、見えない車線へ進んだりしないことが大切です。
周囲が十分に確認できない場合は、見通しがよくなるのを待つことや、信号のある横断歩道など、より安全に渡れる場所を利用することも検討しましょう。
3.小さなお子さんとは手をつなぎ、走らず渡る
子どもが急に歩き出したり、車道へ近づいたりしないよう、小さなお子さんとは手をつなぎましょう。
そして、十分に安全を確認できたら、走らず、横断歩道をまっすぐ渡ることが大切です。
横断中も、顔を下に向けたまま歩いたり、周囲への注意をやめたりしないようにしましょう。
警察庁の交通安全指導でも、車が止まってくれた時はほかの車に注意し、安全を確認してから渡り始めること、横断中も周囲を確認することが示されています。
4.「ありがとう」より、安全確認を優先する
車が止まってくれた時に、運転手さんへ感謝する気持ちは大切です。
北海道などでは、停止してくれた運転手に会釈などで感謝を伝えることも勧めています。
ただし、お辞儀をすることに気を取られて、安全確認がおろそかになってはいけません。
安全な場所で、周囲を確認しながら軽く会釈することは構いません。
しかし、横断中に大きく頭を下げたり、感謝を伝えるために立ち止まったりすることは避けましょう。
大切なのは、「ありがとうの気持ち」と「安全な横断」を両立させることです。
親子で確認したい横断歩道の安全ルール
今回、お子さんと覚えておきたい約束は、次の言葉です。
- 右・左・右。ほかの車も見てから渡ろう!
- 車が止まってくれても、すぐに渡らない!
- 渡っている間も、周りを見よう!
普段の散歩や通園・通学の途中で、
「今、車が止まってくれたね。でも、ほかの車はどうかな?」
と、一緒に確認してみてください。
危険な場面を再現する必要はありません。
実際の横断歩道で、大人が安全確認の手本を見せることも大切な交通安全教育です。
関連動画
「交通安全の歌」、「止まってよく見よう!」では、子どもたちが歌で交通安全の約束を学べる動画を公開しています。
ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子に届けています。
自動車関連企業、交通安全に取り組む団体、商業施設、学校、保育施設、自治体などと連携することで、横断歩道での安全確認を、家庭だけでなく地域でも伝えていけると考えています。
企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの安全を社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。













