マンションや駅、商業施設、習い事の建物など、子どもがエレベーターを利用する機会は身近にあります。

大人と一緒なら何気なく乗っているエレベーターも、子どもだけで利用する場面では、防犯のために知っておきたいことがあります。

例えば、エレベーターを待っている時、知らない人と2人きりになりそうになったら、お子さんはどうするでしょうか。

  • 一緒に乗らないと失礼かな?
  • 早く帰りたいから、このまま乗ろう

そんなふうに考えるかもしれません。

でも、不安を感じた時は、無理に同じエレベーターに乗る必要はありません。

今回は、子どもがエレベーターを利用する際に、親子で確認しておきたい防犯ルールをご紹介します。

なぜエレベーターでは防犯への注意が必要なの?

ドアが閉まると、すぐに外へ出にくい

エレベーターは、いったん動き始めると、次に扉が開くまで自由に外へ出ることができません。

また、構造によっては外から中の様子が見えにくい場合もあります。

そのため、もし中で怖い思いをしても、すぐにその場から離れることが難しい空間です。

神奈川県警察の防犯資料でも、エレベーター内で身体を触られた事例などを紹介し、子どもの防犯対策を呼びかけています。

だからといって、知らない人が全員危険ということではありません。

大切なのは、相手の見た目だけで安全を判断するのではなく、不安を感じた時に取る行動を知っておくことです。

エレベーターの中では、立つ位置も大切

警視庁や兵庫県警察は、エレベーターに乗る際、操作盤の近くで壁を背にして立つよう案内しています。

操作盤とは、行き先の階などを選ぶボタンが並んでいる場所です。

ボタンを押せる位置にいれば、不安を感じた時に近くの階を選び、降りるための行動を取りやすくなります。

また、壁を背にすることで、後ろから近づかれにくくなり、周囲の様子にも気づきやすくなります。

「ボタンの近くで、壁を背にして立つ」

これも、子どもに覚えてほしい具体的な防犯行動です。

子どもはなぜ、不安を感じても同じエレベーターに乗ってしまうの?

「知らない人だから危険」とは判断できない

子どもにとって、知らない大人と同じエレベーターに乗ること自体は、普段からある出来事です。

だからこそ、どんな時に乗るのを見送ればよいのか、迷ってしまうことがあります。

相手が優しそうに見えたり、普通にあいさつをしてきたりすれば、なおさら判断が難しいかもしれません。

また、子どもによっては、

「ここで降りたら変に思われるかな?」

と感じることもあるでしょう。

だからこそ、怖いと感じた時は、相手に気を遣わず、その場を離れてよいと事前に伝えておくことが大切です。

とっさの判断より、事前に決めたルールが役立つ

危険かどうかを、その場で子どもだけに判断してもらうのは簡単ではありません。

そこで役立つのが、あらかじめ決めた行動の約束です。

  • 知らない人と2人きりになりそうで不安なら、次を待つ
  • 乗ってから怖いと感じたら、近くの階で降りる

このように、状況に合わせた行動を具体的に教えておくことで、子どもが迷った時の手がかりになります。

家庭でできるエレベーターの防犯対策

1.知らない人と2人きりになりそうなら、無理に乗らない

エレベーターを待っている時に、周囲の様子を確認しましょう。

知らない人と2人きりになりそうで、不安を感じる場合は、いったん乗らず、次のエレベーターを待つという選択があります。

例えば、

「お先にどうぞ」

と伝えて見送っても構いません。

もちろん、無理に声をかける必要もありません。

大切なのは、子ども自身が不安を感じた時、無理に乗らなくてよいと知っていることです。

ただし、小さな子どもには原則として保護者が付き添いましょう。日本エレベーター協会も、子どもが1人で利用すると、機械のトラブルなどに対応しにくいことから、保護者の付き添いを呼びかけています。

2.操作盤の近くで、壁を背にして立つ

エレベーターに乗ったら、できるだけ操作盤のボタンに手が届く位置に立ちましょう。

その時、壁を背にすることも意識します。

  • 行き先階のボタンに手が届くか
  • 周囲の様子を確認できる位置か
  • 非常時の連絡ボタンがどこにあるか

普段利用するエレベーターで、親子一緒に確認してみてください。

なお、扉そのものに寄りかかったり、手をついたりするのは避けましょう。 ドアが開く時に、手が引き込まれる事故につながるおそれもあります。

3.乗った後に不安を感じたら、近くの階で降りる

乗った時は1人でも、途中の階から知らない人が乗ってくることがあります。

もし2人きりになって不安を感じたら、目的の階まで無理に乗り続ける必要はありません。

近くの階のボタンを押し、扉が開いたら安全を確かめて降りましょう。

降りたあとは、管理人室や人のいるお店など、助けを求められる場所へ向かうことが大切です。

不審な人につきまとわれているなど、危険が差し迫っている場合は、周囲に助けを求め、必要に応じて110番通報につなげてください。

なお、降りた先も危険だと感じる場合は、無理に人気のない場所へ移動するのではなく、その場の状況に応じて助けを求めましょう。

4.非常時の連絡ボタンと防犯ブザーを確認する

エレベーターには、非常時に外部と連絡するためのボタンやインターホンが設置されています。

日本エレベーター協会によると、建物の管理人室や警備室、保守会社などへ連絡するための設備です。

身の危険が迫っている時や、閉じ込められた時などの緊急時には、非常用の通話装置を使って助けを求めましょう。

また、防犯ブザーを持っている場合は、すぐ使える位置に付けておくことも大切です。

防犯ブザーは、怖い思いをした時に周囲へ危険を知らせる手段の一つです。

5.普段使うエレベーターで親子一緒に確認する

安全の約束は、言葉で聞くだけよりも、実際の場所で確認した方がイメージしやすくなります。

マンションやお店などでエレベーターを利用する時に、

  • 「ボタンはどこかな?」
  • 「どこに立つと周りが見えるかな?」
  • 「知らない人と2人きりになって不安だったら、どうする?」

と、親子で話してみてください。

危険な状況をわざわざ再現する必要はありません。

普段の利用の中で、ボタンの位置や安全な行動を知っておくことが大切です。

親子で確認したいエレベーターの防犯ルール

今回、お子さんに覚えてほしい約束は、次の3つです。

  • 知らない人と2人きりになりそうで不安なら、次を待つ!
  • 乗ってから怖くなったら、近くの階で降りる!
  • ボタンの近くで、壁を背にして立つ!

そして、危険を感じた時には、声を出したり、防犯ブザーを使ったりして助けを求めることも確認しましょう。

ただし、防犯のために大切なのは、子ども一人にすべての判断を任せることではありません。

小さなお子さんには大人が付き添い、子どもだけで移動する必要がある年齢になっても、家庭や学校で安全な行動を確認しておくことが大切です。

関連動画

「知らない人には ついて行っちゃダメ!」では、知らない人について行かない大切さを、子どもたちにも分かりやすい動画で伝えています。

ホッピースマイルでは、子どもの事故予防や防犯につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子に届けています。

マンション管理会社、商業施設、学校、学童保育、自治体などでも、エレベーターの安全な使い方について親子で確認できるポスターや教材を活用することで、日常の中に防犯を学ぶ機会をつくれます。

企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも連携しながら、子どもの安全を社会全体で支える取り組みを広げていきたいと考えています。