夏の夜、家族で楽しむ手持ち花火。

きれいな火花が消えると、子どもが地面に落ちた燃えかすを見つけて、

  • 「もう終わった?」
  • 「これ、拾っていい?」

と手を伸ばすことがあります。

火が見えなくなると、子どもには「もう熱くない」「触っても大丈夫」と見えるかもしれません。

しかし、使い終わった花火の先端や落ちた燃えかすは、火が消えた後もしばらく高温になっていることがあります。

花火を楽しむ時は、火がついている間だけでなく、消えた後の片付けまでを安全対策の一部として考えることが大切です。

火が消えた後の花火はなぜ危険なのか

花火の火が見えなくなっても、先端や燃えかすに熱が残っていることがあります。

消費者庁が紹介している事故の中には、地面に落ちていた使用後の手持ち花火を1歳の子どもが触り、手の指にやけどを負った事例があります。

国民生活センターによるテストでも、温度が低く見える燃えかすが、落下後や消火後もしばらく、やけどにつながるほど高温であることが確認されています。燃えかすが衣服へ落ち、着火する危険にも注意が必要です。

また、途中で火が消えた花火には、火薬や火種が残っている可能性があります。

「もう一度つけてみよう」と再点火したり、筒状の花火をのぞき込んだりすると、突然火花が出るおそれがあります。日本煙火協会も、途中で消えた花火は水につけ、筒状の花火をのぞかないよう注意を呼びかけています。

子どもはなぜ消えた花火を触ってしまうのか

子どもは、目に見える情報をもとに行動します。

火花が出ている時は「熱そう」と分かっても、光や煙がなくなると、危険もなくなったように感じることがあります。

また、子どもには、

  • 近くで見てみたい
  • どんな形になったか確かめたい
  • 落ちた物を拾いたい
  • 大人と一緒に片付けたい
  • もう一度火をつけたい

という好奇心があります。

火が消えた後にも熱や火種が残ることを、経験の少ない子どもが予測するのは難しいのです。

そのため、「触らないで」と後から注意するだけでなく、花火を始める前に約束を決め、子どもが触らなくても済む片付け方を大人が準備しておきましょう。

家庭でできる花火のやけど予防

花火を始める前に水を用意する

花火を袋から出す前に、水を十分に入れたバケツを用意します。

消防庁や日本煙火協会も、水バケツを準備し、使い終わった花火を必ず水につけるよう呼びかけています。

水バケツは、子どもがぶつかったり、のぞき込んだりしにくく、大人がすぐ使える場所に置きましょう。

近くに水道がある場合も、使用後の花火をすぐ処理できるよう、バケツを用意しておくと安心です。

終わった花火は子どもに拾わせない

使用後の花火や燃えかすは、子どもに集めてもらうのではなく、大人が持ち手側を扱い、すぐに水へ入れます。

途中で消えた花火も、再び火をつけようとせず、水へ入れましょう。

子どもが燃えかすを見つけた時は、

「触らずに、大人に教えてね」

と伝えておきます。

「お片付けを手伝いたい」という気持ちは受け止めながら、袋を持ってもらうなど、熱い物に触れない別の役割をお願いする方法もあります。

服装と足元も確認する

花火をする時は、肌の露出が多い服やサンダル、裾が大きく広がる服装にも注意が必要です。

火花や燃えかすが足元へ落ちることがあるため、肌を覆える服と靴を選びましょう。風下では火花が飛んでくる可能性があるため、風が強い日は中止する判断も大切です。

遊び終わった後も確認する

花火がすべて終わったら、大人が周囲を確認します。

  • 燃えかすが地面に残っていないか
  • 火がくすぶっていないか
  • すべての使用済み花火が水に入っているか
  • 子どもが水バケツの中へ手を入れていないか
  • 周囲の草やごみに火が移っていないか

水につけた花火は十分に消火したうえで、商品の注意書きや地域の分別方法に従って処分してください。

花火でやけどをした時の対応

花火や燃えかすに触れてやけどをした場合は、できるだけ早く流水で冷やします。

目安として15~30分程度、痛みがやわらぐまで冷やします。衣服の上からやけどをした場合、皮膚に張り付いている衣服を無理に脱がさず、その上から流水をかけます。

水ぶくれは、自分でつぶさないでください。

次のような場合は、医療機関へ相談しましょう。

  • 水ぶくれができている
  • 皮膚が白色や黒色に変化している
  • やけどの範囲が広い
  • 痛みが強い
  • 顔など重要な部分をやけどした
  • 子どもの様子が普段と違う

広い範囲のやけどや重いやけどが疑われる場合は、119番へ連絡してください。

親子で確認したい花火の安全ルール

花火を始める前に、親子で次の言葉を確認しましょう。

  • 火が消えても、花火は触らない
  • 落ちている花火も、拾わない
  • 見つけたら、大人に教える

子どもが実際に触らず教えられた時は、

  • 「触らずに教えてくれて、えらかったね」
  • 「大事な約束を覚えていたね」

と、できた行動を具体的に伝えてあげてください。

安全をしっかり確認しながら、ご家族で楽しい夏の思い出をつくってくださいね。

ホッピースマイルでは、子どもの事故予防につながる安全教育を、動画・歌・ポスター・メルマガを通じて親子へ届けています。

花火メーカー、販売店、自治体、消防関係機関、地域団体、保育施設、子ども向けイベントの運営団体などと連携することで、花火の販売時や夏のイベント前に、親子が安全ルールを確認できる啓発を広げられると考えています。

企業・団体・自治体・教育機関の皆さまとも力を合わせながら、子どもの安全を社会全体で支える取り組みを進めていきます。