子どもの階段事故を防ぐ|靴下で滑る危険と家庭でできる安全対策
- 「ごはんできたよ」
- 「パパが帰ってきたよ」
家族の声を聞いて、子どもが2階から急いで下りてくる。
毎日の中で、よく見かける光景ではないでしょうか。
いつも使っている階段で、子どもも一人で上り下りできるようになっていると、つい「もう大丈夫」と思ってしまいます。
しかし、靴下を履いた足で急いだり、手すりを持たずに下りたりすると、足を滑らせたり、段を踏み外したりすることがあります。
階段事故を減らすために大切なのは、子どもへ注意することだけではありません。
足元、階段の環境、家族の声のかけ方を一緒に見直すことが、事故予防につながります。
子どもの階段事故はなぜ危険なのか
階段は、一段だけを見ると大きな高さではありません。
しかし、足を滑らせて複数の段を転落すると、頭や顔、腕、足などを何度も打つ可能性があります。階段の上から下まで転落すれば落差も大きくなり、骨折や頭部のけがなどにつながることがあります。
こども家庭庁も、階段からの転落では頭を中心に受傷し、全身を打撲する場合があるとして、ベビーゲートの設置や環境整備を呼びかけています。歩き始める前後の乳幼児だけでなく、自分で階段を使えるようになった子どもにも、急いだり遊んだりしないルールが必要です。
特に注意したいのが、次のような場面です。
- 靴下を履いたまま木製の階段を使う
- 家族に呼ばれて急いでいる
- おもちゃや荷物を持っている
- きょうだいと追いかけ合っている
- 階段が暗い
- 段の上に物が置かれている
- 手すりを持たずに下りている
靴下を履けば必ず滑るわけではありません。
ただし、靴下の素材や足裏の状態、階段表面との組み合わせによっては、裸足より踏ん張りにくくなる場合があります。
「いつもの靴下だから大丈夫」ではなく、実際に階段で滑りやすくなっていないかを確認することが大切です。
子どもはなぜ階段を急いでしまうのか
子どもは、「早く下りたら危ない」と分かっていても、毎回落ち着いて行動できるとは限りません。
- パパが帰ってきた
- おやつができた
- 好きなテレビが始まる
気になることがあると、意識は階段の足元ではなく、その先にある出来事へ向かいます。
また、子どもの運動能力やバランス感覚は発達の途中です。大人なら体勢を立て直せる小さな滑りでも、子どもは手すりをつかむ前にバランスを崩すことがあります。東京消防庁も、子どもの住宅内事故には、運動能力やバランス感覚が未熟であることが関係するとしています。
これは、子どもが不注意だからではありません。
楽しいことへすぐに向かいたい気持ちや、自分の動きをまだ十分に調整できない発達段階が、階段事故につながることがあります。
そのため、何度も強く注意するだけでなく、急いでも事故につながりにくい環境を大人が整えておくことが重要です。
家庭でできる階段事故の予防ポイント
手すりを持って、一段ずつ下りる
家庭で最初に決めたい基本ルールは、
「階段では、手すりを持って一段ずつゆっくり下りる」
です。
走る、飛び下りる、きょうだいを追い越す、階段で遊ぶことは避けます。
おもちゃや荷物を持っていると、片手がふさがり、転びそうになった時に手すりをつかめません。階段を使う前に大人へ渡す習慣もつくりましょう。
滑りやすい靴下を避ける
階段で足が滑りやすいと感じる靴下は、使用を見直します。
家庭の床材や室温に合わせて、
- 階段を使う時だけ靴下を脱ぐ
- 足裏に滑り止めが付いた靴下を選ぶ
- サイズが合い、足裏で生地がずれにくい靴下を選ぶ
- 滑り止め部分が擦り減っていないか確認する
などの方法があります。
裸足や滑り止め付き靴下でも、絶対に滑らないわけではありません。足が濡れていないか、階段に水分やほこりがないかも確認しましょう。
階段を明るく、何も置かない場所にする
洗濯物、おもちゃ、本、バッグなどを階段へ一時的に置くと、踏み外しやつまずきの原因になります。
- 階段に物を置かない
- 夜間も足元が見える明るさを確保する
- 水分や汚れを見つけたら拭く
- 手すりのぐらつきを確認する
- 滑り止めを設置する場合は、ずれや端の浮きがないか点検する
といった環境づくりが大切です。
置くだけのマットは、ずれたり端が浮いたりすると、かえってつまずく原因になることがあります。設置する場合は、製品の説明に従って確実に固定し、定期的に状態を確認してください。NITEも、敷物の端を固定するなど、周囲の環境を整えることを勧めています。
小さな子どもにはベビーゲートを使用する
ハイハイや歩き始めの子どもがいる家庭では、声かけだけで階段への接近を防ぐことは困難です。
階段の上下にベビーゲートを設置し、使用後は閉めてロックをかけます。
ただし、すべてのベビーゲートを階段上に設置できるわけではありません。設置場所、対象年齢、固定方法を確認し、がたつきや緩みがないか定期的に点検してください。子どもが自分で開けたり乗り越えたりできるようになった場合も、使用方法の見直しが必要です。
家族も「急いで」と呼ばない
子どもに階段をゆっくり下りるよう伝えていても、下から、
- 「早くおいで」
- 「急いで」
- 「もう出かけるよ」
と呼ばれると、子どもは走りたくなります。
急ぐ必要がある時ほど、大人が階段の近くまで迎えに行き、
「手すりを持って、ゆっくりおいで」
と伝えましょう。
子どもの行動だけでなく、家族の声のかけ方も安全な環境の一部です。
もし階段から転落したら
転落した後に、意識がない、呼吸がおかしい、けいれんしている、繰り返し吐く、顔色が悪い、ぐったりしているなどの症状がある場合は、119番へ通報してください。
意識と呼吸が安定していても、頭を強く打った、強い痛みがある、腕や足を動かせない、普段と様子が違う場合は医療機関へ相談します。
夜間や休日に受診の判断に迷う時は、小児救急電話相談#8000で、小児科医師や看護師から助言を受けられます。受付時間は都道府県によって異なります。
親子で確認したい階段の安全ルール
子どもへは、一度にたくさん伝えるより、短い言葉を繰り返す方が思い出しやすくなります。
階段の前で、親子で次の3つを確認してみてください。
- 階段は、走らない
- 手すりを、しっかり持つ
- 一段ずつ、ゆっくり降りる
おもちゃを持っている時には、
「おもちゃは、大人に渡してから」
も加えましょう。
できなかった時に責めるのではなく、安全に下りられた時に、
- 「手すりを持てたね」
- 「ゆっくり下りられたね」
と、できた行動を具体的に伝えることが、安全を繰り返し思い出すきっかけになります。
関連動画
ホッピースマイルの動画「お家の中には危険がいっぱい」では、階段を含む家庭内の身近な危険について、歌と動画で親子一緒に確認できます。
記事を読んだ後に、ぜひお子さんと一緒にご覧ください。
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